トルコと日本のこれからを学ぶ、未来世紀ジパング「池上彰SP 日本人が知らない!「親日国」トルコのもう一つの顔」視聴レビュー

2015年5月4日(月)放送の未来世紀ジパング「池上彰SP 日本人が知らない!「親日国」トルコのもう一つの顔」は、前回のトマ・ピケティ格差社会のスペシャル回に続き、人気ジャーナリストの池上彰氏が登場するスペシャル回でした。

ジャーナリストの池上彰氏が現在、最も注目している国が「親日国」として知られる中東のトルコだそうです。古くから東洋と西洋の文明が交わる十字路として栄えてきたトルコは、この10年間で個人所得が3倍増という大きな成長をみせている国でもあります。

2015年2月には和歌山県串本町の沖合で海底調査が行われ、親日トルコの原点となった軍艦エルトゥールル号の遺産が撮影されます。今年12月に日本とトルコの合作で、エルトゥールル号を描いた映画が公開されるためです。その撮影が現在、急ピッチで進んでいます。

125年前の1890年、串本町沖で沈没し587名が犠牲になった軍艦エルトゥールル号。しかし町民たちの懸命な救助活動で、69名の命が救われます。エルトゥールル号の事故と救出劇については、トルコの教科書にも書かれているそうです。

親日国トルコのグランバザールには毎年15万人もの日本人観光客が訪れていましたが、後藤健二さんがISIL(イスラム国)によって殺害される事件が発生して以降、日本人観光客は激減しているそうです。

現在トルコには170万人を超えるシリア難民が流入しています。トルコ国営放送の日本特派員ムラットさんは、シリア国境の街ヤイラダウにあるシリア人の難民キャンプを取材に訪れます。

そこにはトルコ側の要請で日本が支援し建てられた、シリア難民のための「さくら小学校」がありました。子ども達をテロリストにさせないよう、きちんとした教育支援を両国は行っています。

トルコは建国以来、親欧米路線を取り比較的自由な文化を尊重してきましたが、エルドアン大統領が2003年に就任して以降、厳格なイスラム化が進んでいます。この問題は2013年9月2日(月)に放送された未来世紀ジパングでも取り上げられていました。

アルコールの夜10時以降の販売が禁止され、スカーフを着用した女性がテレビ出演することが許可され、そして政府を批判するメディア関係者などが次々に逮捕される。こうした変化は言論や表見の規制にもつながると危惧されています。

イスラム化を推し進めるため、トルコでは現在100か所以上ものモスクが建設中です。中でも3万5千人収容の礼拝堂と、美術館、博物館、図書館を併設した「チャムルジャ・モスク」はエルドアン大統領の肝いりで建設が進んでいます。

トルコのイズミット湾では現在、横断大橋を建設する大型プロジェクトが日本とトルコの両国によって進んでいます。手掛けるのは日本の大手製造会社IHI(東証1部上場、証券コード:7013)です。

シリアのイスラム国やエルドアン大統領の報道規制など心配事もありますが、長い歴史を経て培ってきたトルコと日本の信頼関係は、これからも続いていくと信じています。

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