俺のフレンチとくら寿司の海外進出を追う!ガイアの夜明け「”外食革命”は輸出できるか?」視聴レビュー

2015年9月22日(火)放送のガイアの夜明け「”外食革命”は輸出できるか?」は、大手回転ずしチェーン「くら寿司」を運営する株式会社くらコーポレーション(東証1部上場、証券コード:2695)のアメリカ進出、そして「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」を展開する俺の株式会社の中国進出を追った回でした。

回転ずしチェーン業界3位、全国に360店舗を展開し、年商1,000億円に迫る勢いのくら寿司。タッチパネルで寿司を注文すると凄いスピードで運ばれてくる「高速レーン」や、5皿ごとにルーレットが回り当たると景品が飛び出す「ビっくらポン!」、そしてICチップ入りのプラスチックケースで寿司の鮮度を保つ「鮮度くん」など、ファミリー層に受け入れられるサービスを提供しているのが特徴です。

くら寿司の田中邦彦社長は2009年からアメリカに進出し、現在8店舗を展開しています。しかしアメリカには様々な規制があり、日本人客に人気の高速レーンや鮮度くん、びっくらぽん等のくら寿司独自のシステムを導入することができずにいたそうです。

業界1位のスシローや、2位のかっぱ寿司もアメリカには進出していません。そんな回転ずし店にとっては鬼門とも言えるアメリカで、くら寿司は長年の交渉により日本のくら寿司の仕組みを、アメリカ・カリフォルニア州にあるラグナヒルズ店に導入することに成功します。

番組ではリニューアルされた「くら寿司ラグナヒルズ店」に、それまで来店する事が少なかった学生や家族連れが押し寄せ、満員になる模様が放映されていました。SNSでも好意的なクチコミが広がっているようなので、今後くら寿司はアメリカ市場において成長が加速していくと思います。

番組後半、日本における立ち食い店の歴史が紹介されていました。立ち食い蕎麦や寿司、ステーキ、焼肉などなど、様々な立ち食い店が日本で展開されています。中でも有名なのが、一流のシェフが高級食材で作る料理を格安で提供する「俺のフレンチ・イタリアン」です。

立ち食いスタイルにすることによって客を長く滞在させず、回転率を上げることで収益を得る画期的なビジネスモデルによって、外食業界の常識をくつがえし成長を続けています。

そんな「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」を運営する俺の株式会社は、中国の大手飲食店グループ「小南国」とフランチャイズ契約を結び、上海の一等地に俺のフレンチ・イタリアンを2015年6月に初出店します。

しかし立ち食いの習慣が無い中国、しかも工事は予定よりも遅れ、図面になかった柱が動線を遮り、採用したスタッフの研修時間も満足に取れない。そんな最悪の状況のもとオープンしたため、料理が出てくるのが遅いと客からは不満が殺到、オーダーも混乱、テラス席ではパソコンを広げ客がカフェのようにくつろぎ、立ち席には誰も寄り付かない、そして回転率も目標の3回転を下回る2.5回転と散々な結果になっていました。

2015年9月、3か月経った俺のフレンチ・イタリアン上海店には立ち席が無くなり、1時間45分という中国では例をみない時間性が導入されていました。そしてその結果、回転率は上がり、売り上げも増えているようです。

今回のガイアの夜明けを見て再認識しましたが、日本とそっくりそのまま同じ手法を海外で導入しようとしても、なかなか難しいのが現実のようです。強みを残しつつ、現地に受け入れられる柔軟な対応がどこまでできるか、それが外食産業の海外進出成否を分ける要因になると思います。

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