ガイアの夜明けにも登場した“とくし丸”住友達也社長の情熱が迸る、カンブリア宮殿「全国の買い物難民を救う!驚異の移動販売車」視聴レビュー
2015年9月17日(木)放送のカンブリア宮殿「全国の買い物難民を救う!驚異の移動販売車」には、スーパーに買い物に行けない高齢者の家を一軒一軒まわる移動販売車「とくし丸」の住友達也(すみとも・たつや)社長が登場されました。とくし丸のサービスは2015年3月のガイアの夜明けでも紹介された注目の高齢者支援サービスです。
高齢で買い物がままならない“買い物難民”の問題を解決するため、2014年からは東京・新宿でもショッピングセンター丸正総本店と契約したとくし丸が走り始めたそうです。今では全国22の都府県でとくし丸が走っており、2015年内に100台を超える販売車数を目標にしているとのこと。販売額の合計は年10億円にも達するそうです。
名前の通り徳島県で誕生した「とくし丸」、運営しているのはスーパーなどから依頼を受けた個人事業主(フランチャイズのオーナー)です。個人事業主はとくし丸の運転手となり、希望する高齢者の家の前まで行って個別に接客を行うという特徴があります。売れ残った商品はスーパーに返却できるのも、事業主にとってリスクが少ない仕組みですね。
とくし丸の生みの親である住友社長は、20代の時に地元徳島のタウン情報誌「あわわ」を創刊し、全国でも有数の地方情報誌に育て上げます。そして50代の頃に母親の助言をきっかけに、現在のとくし丸のビジネスモデルを思い付いたそうです。
個人的に素晴らしいと感じたのが、とくし丸が地域の補助金に頼らず黒字化を実現している販売者がほとんどだという点です。とくし丸のビジネスモデルが黒字化できている最大の理由が、移動販売を始める前に地道な個別訪問調査を歩いて実施していることです。地域に本当に密着しているからこそ、全国展開でも成功しているのでしょう。
とくし丸のビジネスモデルは
・全ての品につき10円を利用者が負担(サービス継続のため受益者も応分の負担を)
・地元の小さな商店を守るため、その半径300メートル内では営業しない
・販売員は地元出身者にする
といった特徴があります。地域で暮らす売り手も買い手も、ともに豊かに生きていくためのアイデアだそうです。高齢者にアプローチできる貴重なネットワークとして、とくし丸には大手メーカーも注目し、独居高齢者のマーケティング調査に使うなど新たな広がりも出来ているとのこと。
番組終盤では1万円札しか引き出せない小型のATM設置や、高齢者見守りサービスなど、今後さらなる発展を期待させるとくし丸の取り組みも紹介されていました。高齢化社会を迎える日本にとって、とくし丸のビジネスモデルは今後さらなる人気を博していくと思います。