地域の素材を観光資源に変える!ヤンチャ親父の雅叙苑観光田島健夫社長が登場、カンブリア宮殿「一度は行きたい奇跡の温泉宿!観光の常識を変える独自戦略」視聴レビュー

2015年2月5日(木)放送のカンブリア宮殿「一度は行きたい奇跡の温泉宿!観光の常識を変える独自戦略」には、鹿児島の過疎の町に絶景と絶品料理の宿を生み出した雅叙苑観光の田島健夫(たじま・たてお)社長が登場されました。

番組を見た後で調べて知ったのですが、今回取り上げられた雅叙園観光と、目黒雅叙園は何のつながりもありません。予告だけ見ててっきり目黒雅叙園の運営会社かと思っていましたが、違いました(苦笑)。

石川県山代温泉の人気旅館「べにや無何有」や三重県湯の山温泉の人気宿泊施設「アクアイグニス」など、一般的な旅館やホテルとは一線を介した宿泊施設の人気が高まっています。

鹿児島空港からタクシーで20分、人口7400人の過疎地、鹿児島県霧島市の牧園地区にも、世界のセレブを魅了する“奇跡の宿”があります。それが、「天空の森」です。

宿泊料は1人1泊20万円、一番安い部屋でも12万円もする天空の森ですが、東京ドーム18個分の敷地に客室は3部屋しかないという、まさに大自然の中にある優雅な宿泊施設です。楽天トラベルやじゃらん、JTBといった旅行サービスからは予約できない点も特徴的です。

天空の森は雅叙苑観光の田島社長が10年以上の歳月と5億円もの資金を費やし、自ら山を切り開き少しずつ作り上げた“手作り”の施設なのだそうです。また天空の森の近くには、「忘れの里 雅叙園」という昔懐かしい人気宿泊施設もあります。こちらも田島社長が作り上げたとのこと。

鬼怒川温泉、箱根湯本温泉、そして有馬温泉と、日本の有名温泉街は川沿いに立ち並ぶコンクリートの旅館が風物詩と言えます。出てくる料理も魚介類が中心、遊びも卓球やカラオケと、全国どこも似たような宿泊施設になっている現状があります。

雅叙苑観光の田島社長は、地域ならではの特性を活かした宿泊施設を心がけられているそうです。そのため料理も地元の素材をふんだんに使っているのが特徴です。

天空の森近くの小さな温泉街、妙見温泉には「田島本館」という田島社長の母親が営んできた湯治場があります。1960年代後半、北九州屈指の観光地だった霧島市には、ブームとなった新婚旅行で訪れる夫婦が殺到したそうです。

田島社長はこの新婚旅行ブームを商機と捉え、母親が経営する湯治場の近くに木造2階建ての旅館「雅叙苑」を開業します。しかし客は全く来ず、1泊3食付きで3500円という作業員向けの激安宿へと変えたことでストリップの出張サービスまで受け入れるまでに・・・。

さすがにストリップ出張サービスのあるような激安旅館では、新婚カップルには受け入れられません。理想とは違う宿の姿に田島社長は「求められるサービスは、客によって変わる」と痛感し、理想の旅館を実現するため「都会にない故郷のような風景」をコンセプトに「忘れの里・雅叙苑」をオープンさせます。

番組で初めて知ったのですが、温泉付き客室は「忘れの里 雅叙苑」が日本で最初に始めたそうです。地域に根差した取り組みが評価され、今では“ルレ・エ・シャトー”という地域の魅力を独自の個性で伝える一流ホテル・レストランの会員組織にも加盟しています。

海外から日本を訪れる観光客は年々増加し、2014年には1300万人を超えたと言います。しかし外国人観光客のほとんどは東京や大阪、京都などの都市部に集中し、地方にはなかなか訪れません。

田島社長は宮崎のシーガイアとのセット宿泊プランや、地元の醤油蔵での新商品開発など、地域の魅力を高め観光資源としての価値を上げる取り組みに注力されています。鹿児島のショーウィンドウを目指す、というコメントも番組内で話されていました。

村上龍氏も編集後記で書かれていたように、郷土の風景や生活文化の提供といった付加価値が、これからの日本の観光施設のキーポイントになってくるように思います。・・・天空の森、いつか夫婦で泊まりに行ってみたいです。

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