知日ブームで日本企業が躍進!?未来世紀ジパング「緊急拡大スペシャル!中国バブル崩壊の真相」放送動画の感想

2016年4月4日(月)に放送された未来世紀ジパング「緊急拡大スペシャル!中国バブル崩壊の真相」は、番組が4年以上にわたって取り上げてきた中国経済の中間まとめ的な内容でした。中国バブルは崩壊したのかどうかを、様々な事例を交えて取り上げてくれたため1視聴者としても大変勉強になりました。

番組冒頭、13世紀に皇帝チンギス・ハンが軍用犬にしたという伝説も残るチベット原産の犬「チベタン・マスティフ」が中国バブルの1つの象徴として紹介されました。過去には一匹3億7000万円という超高額で取引されていたそうです。ただ現在は価格も大暴落し、夜逃げするブリーダーも増えているとのこと。

チベット犬と同じく過去には大人気だったものの、今はバブルが価格が大暴落しているのが「翡翠」です。現在の中国では翡翠に代わり、現在は日本の真珠の人気が高まっているそうです。

番組では建設バブル崩壊を表す、中国の三大ゴーストプロジェクトも取り上げていました。その1つがドバイを超える高さ383メートル、220階建て3万人収容の世界一高いビル建設計画です。建設計画地には定礎はあるものの、着工からわずか4日後に不認可となり建設はストップしています。

さらに中国が威信と9兆円もの費用をかけた巨大工業団地計画は、3年前にはすでに多くの工事がストップしゴーストタウン“鬼城”になっていました。結婚をテーマにした巨大テーマパーク建設や、北京からの大学移転などの計画もありますが、果てしてどうなる事か・・。

鬼商城と呼ばれる世界最大級のゴーストモール、こちらも3年前の取材時には99%の店舗が撤退していたそうですが、その後ショッピングモール周辺の不動産会社が物件販売のために資金を投入し、賃料0円にしてテナントを誘致していました。ただこの無理やりの延命措置、いずれ崩壊すると思われます。

中国バブルの象徴とも言える建築・不動産業界は、やはりバブルが崩壊したと結論付けても良さそうです。この不動産や建築のバブル崩壊が、どこまで中国経済、そして世界経済に影響を及ぼしてくるのかが注目されます。

日本国内における中国の爆買いバブルも一昔前に比べると落着き、最近は美容室など「物」から「事」へと中国人観光客の興味は変化しているようです。「物」の部分については越境ECのように、ネット通販が今後伸びてくると番組を見て個人的に感じました。

景気減速で節約志向が高まりつつある中国で人気が高まっているのが、日本のカレーライスです。中でもバーモントカレーで有名なハウス食品(東証1部上場、証券コード:2810、株主優待あり)は、5,000人のチベット僧に提供した試食会を大成功させ、中国料理によく使われる香辛料「八角」を配合し中国人の味覚に合わせるなど中国進出を強化しています。

最近ではスーパーの売り場をジャックするなど、レトルトカレーの売り上げも急拡大していると番組で紹介されていました。ハウス食品はCoCo壱番屋も買収し中国進出を果たしていますし、中国のカレー文化を今後築いていってくれそうです。投資候補として検討の価値ありです(⇒当ブログにおけるハウス食品関連記事)。

2015年9月28日の未来世紀ジパングでも紹介された中国の若者に絶大な人気を誇る山下智博さんは、抗日ドラマの多いテレビに飽きた若い中国人向けにネット動画で日本の文化を面白おかしく紹介することで、現在もサイン会に3時間の行列ができるほど高い人気を誇っています。

テレビや学校教育で知った日本と、今の日本が違うことに気付き始めた中国人。山下さんをはじめとしたネットの力によって、反日や抗日という感情だけでは無く、「知日」のムーブメントも今後さらなる広がりを見せて行くと思います。

経営が破綻しているのに政府や銀行の支援を受けて存続している企業、通称“ゾンビ企業”への対策が中国政府主導で現在本格化しており、存続させるべき企業のみ掲載した「白リスト」から漏れた企業では銀行からの融資ストップや大量リストラなどの影響が出ているそうです。

では中国バブルは本当に弾けたのか?沸騰ナビゲーターの後藤康浩氏によると、現在弾けそうなバブルに対して中国政府がさらに大きなバブル、例えば高速鉄道や高速道路、空港新設、さらに宇宙計画などで覆い隠すことで、弾けなくさせている状況にあるようです。

中国経済の減速は日本経済全体にも悪影響を及ぼしますが、一方で日本の商品やサービスの質の高さ、そして企業の信頼性が中国人の知日ムーブメントで広まれば、中国人から評価され成長する日本企業も増えてくると期待できます。

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