爆買いに山下智博さん、知日に絶景ツアーと若者間の距離接近?未来世紀ジパング「シリーズ”中国異変” 反日中国でなぜ?知られざる日本ブーム」視聴レビュー
2015年9月28日(月)放送の未来世紀ジパング「シリーズ”中国異変” 反日中国でなぜ?知られざる日本ブーム」は、中国の異変から日本の未来を読み解く未来世紀ジパングの人気シリーズの1つです。中国人観光客による「爆買いツアー」や、中国人が熱狂する日本人「山下智博さん」、そしてH.I.S.社による「中国絶景ツアー」などが紹介されました。
番組冒頭、2013年にオープンした和風デザインの極楽湯(東証ジャスダック上場、証券コード:2340、無料入浴券の株主優待あり)の上海店が、清潔でくつろげると中国人から大人気になっている模様が放映されていました。極楽湯は反日デモより、中国のパクリ店舗問題に頭を悩まされているそうです。
世界最大級の豪華クルーズ船「サファイアプリンセス号」、かつて世界一周に使われていたこの船は、現在上海と日本を結んでいます。2,700人の中国人を乗せて向かったサファイアプリンセス号がたどり着いたのは、日本の長崎市。そして観光客はドラッグストアに殺到し、特定の商品を買いあさっています。
中国人観光客の最大の目的は、「爆買い」と称される日本での大量の買い物です。こうした中国の爆買いを喚起しているのが、中国人の人気ブロガーだそうです。ブログのクチコミが重視される中国では、人気ブロガーが取り上げた商品が爆買いでも非常によく売れるとの事。
中国の若者に絶大な人気を誇っている日本人として、番組では山下智博さんという上海大学に留学し、中国前衛芸術を専攻している30歳の日本人学生が紹介されていました。イベント会場ではなんと3人の警備員がつくほどのVIP待遇ぶりです。
中国における山下フィーバーの理由、それは山下智博さんが日本の文化や言葉を中国国内で動画配信し、わずか半年で視聴2億4千万回を突破するほどの大人気になっているからです。中国版YouTuberですね。制限の多いテレビよりも、山下さんのように自由な配信を行ってくれる方が、中国の若者に受け入れられているようです。
日本文化を毎月1テーマで紹介する雑誌「知日」も、中国国内で売れ行きを伸ばしているそうです。知日が取り上げるテーマは「制服」「手帳」「禅」「礼儀」「家」など各種各様、デザインもお洒落でハイセンスな雑誌に仕上がっており、政府の厳しい検閲にも関わらず発行部数は10万部にも上ります。
中国人の若者の中では古畑任三郎をはじめとした三谷幸喜さんの作品や、日本人作家による小説、ドラえもん、さらにはAKB48グループの上海版「SNH48」などが人気になっているそうです。こうした日本文化の輸出によって、若者を中心に日本に対して好印象を抱いてくれる人たちも増えてきているのだと思います。
爆買いツアーもあり日本を訪れる中国人は年々増加していますが、大気汚染に食品問題、反日と立て続けに問題が起こった結果、日本人旅行者が中国人を訪れる数は激減しています。大手旅行会社H.I.S.(東証1部上場、証券コード:9603、株主優待あり)では、中国に訪れる日本人観光客数は3年前の15分の1まで落ち込んでいるそうです。
同業他社が中国ツアーから撤退・縮小をする中、H.I.S.ではあえて逆張りで中国旅行の売り出しを強化。上海支店リーダーの安達さんは映画アバターのモデルとなった世界遺産・武凌源を「絶景ツアー」として売り出します。
武陵源を訪れる中国絶景ツアーの初回の模様が番組で紹介されていましたが、この絶景ツアーは発売1か月でH.I.S.人気ツアーでいきなり第2位にランクインするほどの大人気企画になったそうです。
中国で知日という日本を知る動きが活発化しているように、好き嫌いはまずは置いておいて、日本でも中国を知るための「知中」の活動が増えても良い気がします。自分ももう少し中国動向にアンテナを巡らせようと思います。