ロシアのルーブル安と石油バブルが日本にとって追い風に!?未来世紀ジパング「ロシアに意外なチャンス!激安ツアーで日本人殺到!」視聴レビュー

石油と天然ガスの資源によって経済成長を続けてきたロシアですが、ウクライナ問題によって欧米の経済制裁が課され、さらに世界的な原油価格の暴落でオイルマネーも逃げ出すなど、瀕死の状態になっているように見受けられます。2015年2月23日(月)放送の未来世紀ジパング「ロシアに意外なチャンス!激安ツアーで日本人殺到!」では、そんなロシアの現状と進出する日本企業が取り上げられていました。

地の上の教会ハリストス復活大聖堂や、世界三大美術館の1つエルミタージュ美術館があるロシア一の観光地サンクトペテルブルグに今、日本人観光客が殺到しているそうです。その理由はロシア通貨ルーブルの急落。ツアー価格もお土産代も、以前に比べて3割以上安くなっているそうです。

しかしロシアの観光業界や市民はルーブル安によって大打撃を受けていました。ヨーロッパからの輸入品が無くなり、安かった国産品も3割以上値上がり。ドル建て住宅ローンの支払いが倍になったロシア市民の模様も番組では流れていました。

クリミア半島にロシアが進出したことで世界各国が経済政策を実施。ロシアは世界第2位の原油生産国のため、原油安の影響で石油会社幹部の家も売りに出されています。

しかし、そんなルーブル安をものともしない町もあります。それがシベリア玄関口の地方都市イジェフスクです。世界一売れている自動小銃「カラシニコフ銃(通称AK47)」の製造工場がある街です。

世界の紛争地帯で使われてきたカラシニコフ銃は、町の女性たちが手作りで作っています。経済制裁で一番の顧客だったアメリカへの輸出がストップしたものの、年間10万丁以上の生産量は減少せず、むしろ増えているとの事。

カラシニコフステッカーやバッジなどのサイドビジネスも行っていますが、専門家によるとアフリカや中東などが第3国を経由してカラシニコフを輸入しているため、カラシニコフ社の売り上げは好調が続いているそうです。

番組後半に紹介されていたのが、あたたかい飲料が人気の日本の自動販売機です。2014年からモスクワの駅の地下道などを中心に急速に設置が進んでおり、今年はさらに1万台の設置を目指しているそうです。ルーブル安で物価が上昇する中、値段が据え置かれている点も人気とのこと

また資産価値が落ちにくい日本車も将来のルーブル安を見こし、ロシア人たちが先行して購入しているそうです。2014年8月にロシアに進出した関西ペイント社(東証1部上場、証券コード4613)もルーブル安のおかげで初期投資が割安で済んだとのこと。関西ペイントと言えば2015年1月29日(木)放送のカンブリア宮殿「世界を塗り替える!知られざる巨大塗料メーカー」でも紹介されていた塗料メーカー売上No1企業です。

関西ペイントの消臭効果がある漆喰塗料は、猫がペットとして人気のロシアで売り上げ増につながっているそうです。番組ではロシア自動車会社面々と関西ペイント社員が厳しい商談や接待を行っている模様も紹介されていました。ウォッカの飲みニュケーションはお酒が苦手な方にはかなりきつそうです。

沸騰ナビゲーターの太田泰彦氏(日本経済新聞社論説委員兼編集委員)は未来予測で「ピンチは最後のチャンス」を掲げられていました。ルーブル安と原油安のダブルパンチに苦しむロシアですが、欧米企業の撤退は人口1億5000万人の巨大なロシア市場に日本企業が参入するチャンスでもあるとのこと。

WEB限定「ジパング・お蔵入り映像」でも取り上げられていましたが、2008年にロシアに進出した横浜ゴムは1本1万6千円と高額なものの、安全性が高いとスタッドレスタイヤがロシアで好調だそうです。またルーブル安の影響で冬の時期から夏タイヤを購入する客も増加しているとのこと。

ルーブル安に加え、ロシアは経済制裁の関係でヨーロッパから物が入りにくい状況になっているため、総合商社の兼松は光ファイバーの売り上げをこの3年間で3倍にも伸ばしていると話されていました。

こうした高い技術を持つ日本企業が積極的にロシアに進出し、ロシア式の商談を乗り越えられることができれば、ビジネス面の利益だけでなく政治の面でも日本がよりキープレイヤーとしてロシアと欧米の関係改善に貢献できるようになると思います。

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