カンボジア国民のためになる無農薬野菜と精米機、未来世紀ジパング「最後のフロンティア!カンボジアの食を日本が変える!」視聴レビュー

2015年1月12日(月)の未来世紀ジパング「最後のフロンティア!カンボジアの食を日本が変える!」は、国民の所得が上向き都市部の開発が進むなど、成長著しいことから東南アジア最後のフロンティアと呼ばれる「カンボジア」を取り上げた回でした。

2014年6月30日には、カンボジアの首都プノンペンに同国内初となる大型商業施設「イオンモール」(東証1部上場、証券コード:8905)がオープンしたことでも有名です(昨年のブログ記事参照)。コストが安く、外資に寛容で、政治が安定しているカンボジアには、イオンをはじめ様々な日本企業が進出しています。

ちなみにイオンモール・プノンペンでは日本のおせんべいがよく売れているそうです。またヤクルトも大人気とのこと。カンボジア国民の所得が上昇したことで、安心安全な日本食の人気が高まっているようです。

そんなイオンモールの近くにあるのが、日本の飲食店が多数集まる「絆ストリート」です。洋菓子店「ふわり」や居酒屋「時代屋」など、海外に初進出する日本の小規模チェーン店にとって、人件費の安さや真面目な国民性が魅力に映っているようです。

番組インタビューによると、カンボジア中間層の今の悩みは“食の安全”、とくに市場などで売られている農薬まみれの野菜です。そんなカンボジアで“安全な野菜”を武器に勝負しているのが、株式会社ジャパン・ファーム・プロダクツの阿古哲史社長です。

ジャパン・ファーム・プロダクツ社ではレタスやトウガラシ、小ナス、オクラなどの野菜を地元の契約農家に無農薬で作ってもらっています。スーパーなどの店頭で売られるパッケージには生産者の情報も載せることで、他社との差別化にも成功し、2014年11月には黒字化にも達成しています。

カンボジアの主食は日本と同じ米です。米の生産量も世界第11位、日本に匹敵する量となっています。また、カンボジア産のロムドゥオル米(長粒米)は3年連続で「世界コメ流通業者品評会」で第1位を獲得しています。

しかし、そんな高品質の米を作るカンボジアの米農家は貧困にあえいでいます。カンボジアの米農家が貧しさから抜け出せない理由は2つ。1つは農家の精米技術がとても未熟なため。そしてもう1つは海外に米を持ち出す違法ブローカーが安く買い叩いているためです。

富山の精米機専門メーカー、株式会社タイワ精機はカンボジアの米農家の収入アップに貢献し、自社の売り上げも増やすためカンボジアに進出しています。

タイワ精機では1996年にもフンセン大統領に依頼されカンボジアに進出したそうですが、日本の短粒米に対応した精米機は長粒米のカンボジア米には適応できず失敗。

大統領の依頼から17年後、タイワ精機は長粒米に対応した精米機の開発に成功し、カンボジア・タケオ州にあるサマキ農協に納入します。結果、サマキ農協が扱うカンボジア米は以前の価格の2倍に跳ね上がっていました。

沸騰ナビゲーターの山口義行氏(立教大学経済学部教授)は未来予測で「2015年は貢献がビジネスに」を掲げられていました。カンボジアの人たちのためになればと始めた貢献事業が、経済成長著しいカンボジアでビジネスにつながるようになっているからです。

日本の中小企業には熱い志を持った社長がたくさんいるので、彼らがカンボジアのような発展途上国にどんどん進出することで、新たなビジネスチャンス獲得を成し遂げていくと思います。

今回の未来世紀ジパングを見て初めて知ったのですが、日本の粒の小さいお米は世界シェア2割の短粒米で、残り8割はカンボジア米のように粒が長い長粒米が占めているそうです。

おいしい日本のお米が海外進出するには厳しい数字とも言えますが、逆の見方では「8割の人たちを開拓できる」と言うこともできます。安心安全な日本の食が、世界にもっと進出してくれることを願っています。

P.S.
WEB限定「ジパング・お蔵入り映像」ではカンボジア人に人気の日本食として、サーモンのお刺身やクロワッサンたいやきが紹介されていました。現地風にアレンジすることで日本食の人気が高まっているそうです。

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