サイバーダインCEOの山海嘉之氏と東海メディカルプロダクツ会長の筒井宣政氏が登場!カンブリア宮殿「医療の未来を切り拓く挑戦者たち スペシャル」視聴レビュー
2015年1月8日(木)放送のカンブリア宮殿「医療の未来を切り拓く挑戦者たち スペシャル」は、2015年最初のカンブリア宮殿として新年にふさわしい“挑戦”をテーマにした90分拡大スペシャル回でした。番組に登場されたのは、サイバーダイン株式会社の創業者兼CEOの山海嘉之(さんかい・よしゆき)氏、そして株式会社東海メディカル会長の筒井宣政(つつい・のぶまさ)氏の2名です。
番組冒頭、2011年7月に脳卒中で倒れた女性が医師からもう歩けないと宣告されながら、ロボットスーツ「HAL(ハル)」のおかげで歩けるようになった模様が放送されていました。HALは体に装着することによって、身体機能を改善・拡張・補助することができる世界初のアシストロボットです。
国内最大規模のロボケア複合施設「湘南ロボケアセンター」をはじめ、現在、約160施設が500体のHALをレンタルしているそうです。そんなHALを生み出したのが、筑波大学大学院の教授でもある山海嘉之氏が2004年に立ち上げたサイバーダイン株式会社(マザーズ上場、証券コード:7779)です。大学教授で上場企業のCEOになったのは、世界で山海氏ただ1人だそうです。
脳出血や脳卒中、脊椎損傷で歩くことが困難になった人々の“再び自分の足で歩きたい”という希望に応えてくれるロボットスーツ「HAL(ハル)」。HALは人の意思をセンサーで読み取って手足の動きを補助してくれるため、繰り返し歩行トレーニングをすることによって自分の足で再び歩けるようになった人もいます。
日本では医療機器として認可されていない為に福祉機器扱いで保険もおりませんが、2013年にはEUで医療機器として認定され、ドイツでは労災保険が適用される治療環境も整っています。他にもスウェーデンなど様々な国が導入に興味を示しているそうです。
山海氏が話されていた「科学は人の役に立ってこそ意味がある。」という言葉には、人生を賭けた男の重みがありました。HALは今では山海氏の愛弟子でもある若い研究者たちによって、子供用HALや小型でどこでも使えるHAL、建設現場や介護する人の作業を楽にする作業支援用HALなど、新たなモデルが生み出されています。
今回不勉強ながら初めてロボットスーツ「HAL(ハル)」を知ったのですが、この技術はまさに日本が世界に誇ることができ、かつこれから迎える超高齢化社会において大きく活躍されるものだと思います。HALが早く日本でも医療機器として認定されることを願います。
2015年最初のカンブリア宮殿、後半は緊迫した心筋梗塞の手術シーンから始まります。心臓手術の応急処置で使われている東海メディカルプロダクツの「バルーンカテーテル」が紹介されていました。品質の良さが医療現場の評判を呼び、国内シェア3割を誇る製品です。
自動化を進める競合他社とは違い、製造工程の9割が手作りという東海メディカルプロダクツの「バルーンカテーテル」。品質検査も抜き取りでは無く、全製品に対して行われています。
株式会社東海メディカルの筒井宣政会長は、以前、縄跳びなどを製造する樹脂加工の会社を運営されていたそうです。医療の現場に飛び込んだのは、愛する娘さんの重い心臓病を治すため。
筒井氏は手術費として貯めていた2000万円を元手に、人工心臓の開発に乗り出し試作品の開発に成功します。しかし、製品として完成させるにはさらに1000億円もの膨大な開発費用が必要と知り断念します。
同じ頃、日本人に合わず医療事故が多発していた外国製の心臓用カテーテルの問題を知った筒井氏は、樹脂加工の技術と一から学んだ心臓の知識をフル活用し、日本人に合った国産カテーテルの開発に挑戦します。
そして1989年、ついに心臓カテーテルの開発に成功。医療機関が実施した調査では、外国製カテーテルの事故発生率が1~5%だったのに対し、東海メディカルの国産カテーテルはなんと0%という驚異の結果でした。
東海メディカルのカテーテルは、医療現場の声を聞きながら心臓以外の腎臓や脳などに使えるものが30種類以上も開発されています。世界最少の小児用カテーテルも東海メディカルでは実用化に成功し、生まれたばかりの乳児の命を救っています。
「助けを必要としている人の役に立つ」という信念を、サイバーダイン株式会社の山海氏、そして株式会社東海メディカルの筒井氏の両名から感じることができました。2015年は微力ながら自分も人の役に立つ仕事を増やして行ければと思います。