砂漠の国UAEでトマト栽培、草原の国モンゴルでえび養殖、ガイアの夜明け「ありえない場所で・・・”絶品の味”を作る!」視聴レビュー
砂漠の真ん中で絶品のトマトを作る!インパクト大な番組紹介文だったのが、2014年8月19日(火)放送のガイアの夜明け「ありえない場所で・・・”絶品の味”を作る!」です。砂漠の国UAEでトマト栽培、草原の国モンゴルでえび養殖と、普通では考えられない生産を実現した企業の取り組みが紹介されていました。
番組冒頭、東京・六本木にあるフレンチレストラン「トレフミヤモト」で使われている特別なトマトが紹介されていました。フルティカという糖度の高いトマトです。
生産者は農業経験のなかった辻さんという方で、メビオール社の土や水がほとんどなくてもトマトを育てられるという特殊なフィルム「ハイドロメンブラン」を使ってフルティカを作っています。トマトのフィルム栽培、どこかで見たことがあると思ったら2013年9月の「ガイアの夜明け」で取り上げられていました。
メビオール社の森有一社長は早稲田大学の研究員で、元々は東レの技術者として人口透析膜を開発してきた方です。2014年春、森さんは初めて海外にフィルムを持ち込みます。中東のUAE、アラブ首長国連邦です。
国土の大半が砂漠で占められているUAEで、ビニールハウスの中にハイドロメンブランを敷き詰め、循環型の激安冷房システムを導入し、UAE産で安全かつ高品質なトマト生産、そして現地販売が始まっていました。この絶品のトマト販売はきっと他の国にも広がっていくと思います。
番組の後半、陸の上で行われる魚の養殖が取り上げられていました。岐阜県飛騨市のトラフグ養殖や、大分県津久見市のヒラメ養殖、宮崎県五ヶ瀬町のサクラマス養殖など、陸上で魚を作る技術が進化しているとのこと。
東京・南青山にあるイタリアンレストラン「トラットリア イル・パチョッコーネ」で開かれているランチ会に、バナメイエビがふんだんに使われたパスタがふるまわれていました。バナメイエビは妙高ゆきエビという、新潟県産の養殖えびです。値段は輸入エビの倍しますが、国内産という安心感と新鮮かつ美味しいえびとして外食産業で人気が高まっているそうです。
バナメイエビの養殖場を運営しているのが、新潟県妙高市にあるベンチャー企業、株式会社IMTエンジニアリングという会社です。タイから生後10日ほどの稚エビを輸入し、水槽内の温度を調整しながら特別な技術によって波を作り出し、身が引き締まったバナメイエビを生産・販売しています。
IMTエンジニアリングではモンゴルの実業家と組んで、海に面していない草原の国モンゴルでエビの養殖を始めようとしています。モンゴルでは経済が急成長した10年ほど前から、富裕層が海産物を食べるようになったそうです。
2014年8月11日、ウランバートル市内のレストランで、モンゴルで試験的に養殖したえびを食べてもらう試食会を開いていました。地元のレストラン関係者やマスコミが集まった試食会は大盛況だったようです。
国土が狭く、技術革新が得意な日本は、野菜栽培や海産物養殖の技術と実績が他国に比べて優れていると思います。この日本の先端技術が砂漠や草原の国に広がる事で、世界の食卓をガラッと変える事にもつながりそうです。これも日本企業の海外進出、応援したいと思います。