純米大吟醸「獺祭」の蔵元、旭酒蔵株式会社の桜井博志社長が登場!カンブリア宮殿「奇跡の酒「獺祭」!ピンチに挑み続けた大逆転経営」視聴レビュー

2014年1月16日(木)放送のカンブリア宮殿「奇跡の酒「獺祭」!ピンチに挑み続けた大逆転経営」を視聴しました。純米大吟醸「獺祭」の製造販売を行っている蔵元、旭酒蔵株式会社の桜井博志(さくらい・ひろし)社長が登場され、挑戦の重要性について説かれた回です。

番組冒頭、東京駅地下の「はせがわ酒店 東京駅グランスタ店」で売れまくっている酒として紹介されたのが、“ワインみたいな日本酒”として人気の「獺祭」です。はせがわ酒店の長谷川社長も獺祭はシンデレラのような奇跡の酒だと絶賛されていました。

この40年間で日本酒の市場規模は3分の1にまで縮小している中、山口県の旭酒造が造る純米大吟醸酒「獺祭」は破竹の勢いで売り上げを伸ばしています。なんと毎年140%の成長を続けているとのこと。

一口に日本酒と言っても、その種類は様々だということを番組で初めてしりました。米だけで作る純米酒と、醸造アルコールを添加したタイプの2種類に日本酒は分けられ、その中でもコメをもっとも磨いて作るのが「純米大吟醸酒」(磨き~50%)です。

磨きが60%以下のものは「純米吟醸酒」、そして70%以下が「純米酒」と呼ばれます。また醸造アルコール添加の日本酒も大吟醸酒、吟醸酒、本醸造酒、そして普通種のランクに分かれます。

旭酒蔵の桜井社長は1984年、父親の急逝により34歳で酒蔵を継ぎます。当時の旭酒造は山奥の小さな酒蔵で、販売不振にあえぎつぶれるのは時間の問題とまで揶揄されていたそうです。

オマケをつけたり安売りをしたり、地元山口の名産フグに合う酒を発売したりと、様々な取り組みをするものの失敗。やってもやってもダメという悪循環に陥ったそうです。

そんな中、桜井社長はワインブームに便乗してワイン酵母を使った日本酒を開発したそうです。新商品発表会には多くのマスコミが集まったそうですが、参加者の1人の女性から「ワイン酵母でおいしい日本酒をつくったと言うけれど、それならワインで良いんじゃない?」と指摘され衝撃を受けたとの事。

「本質的な価値で勝負しろ」と受け止めた桜井社長は、日本酒のおいしさで勝負することを決意します。大胆にも造る酒を純米大吟醸酒という、技術的に難しい最高峰のものに特化。社長就任から6年後の1990年に、納得できる酒「獺祭」を生み出します。

当時の純米大吟醸が4,000~5,000円もする中で、4合瓶で約1,250円(当時)という破格の価格で売り出します。そして東京の酒屋等を地道に回るドブ板営業を続け、1店舗1店舗販路の拡大につなげます、

さらに、日本初の手間暇かかる「磨き2割3分」という製法で獺祭を造ることにより、大きな宣伝効果も発揮。こうした品質と努力により、獺祭は純米大吟醸酒の出荷量で全国第1位となっています(2012年度)。

順風満帆に見える旭酒造ですが、1999年に当時はやり始めていた地ビール事業に進出、しかしこれが大失敗し1億9,000万円もの巨額な損失を出してしまいます。またこれにより外部の酒造り指導者でもあった杜氏も怒って旭酒造を去ってしまいます。

そこで旭酒造では杜氏に頼らず、自社開発した最新の機械を使い、社員だけで純米大吟醸酒の製造に取り組み始めます。また温度やアルコール度数など徹底したデータ分析を行い毎日全員で共有することで、問題が起こってもすぐに対応できる体制を整えています。

そして、蔵全体の温度コントロールを実現させ、一年を通じた獺祭の大量生産に成功させます。今も生産量をアップさせるため、築200年以上の自宅を取り壊してまで、新しい蔵の建築を進めています。

旭酒造の獺祭は、今や世界22ヵ国で売られるまでに成長しています。2014年7月には、フランス・パリに獺祭の直営店がオープン予定です。さらに、ユダヤ教徒の食品基準規定である「コーシャー」の認定を受け、世界進出を加速させています。今は海外売上が1割だそうですが、これを5割にまで引き上げるよう取り組みを強化しているとのこと。

編集後記で村上龍氏が語っていた、「良いものを作れば必ず売れるのかどうかは難しい問題だが、圧倒的にすごい商品の場合は必ず売れる。」という言葉はまさにその通りだと思いました。1人の自営業者としても、圧倒的にすごい商品やサービスを生み出して行きたいと思います。

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