モルディブの非常事態宣言やマレーシアのマハティール首相による脱中国の動きなど、未来世紀ジパング「危機か?チャンスか?揺れる”一帯一路”」
中国・習近平国家主席が進める経済圏構想「一帯一路」の重要な拠点であるインド洋のモルディブでは中国からの巨額の債務をめぐり国民が反発し、東南アジアの経済大国・マレーシアでは中国との関係を見直すという92歳のマハティール首相が復権するなど、ほころびも見え始めた一帯一路。
2018年6月20日(水)放送の未来世紀ジパング「危機か?チャンスか?揺れる”一帯一路”」はインド洋の楽園モルディブで発生したデモに対する非常事態宣言や、マレーシアのマハティール首相による脱中国の動きなど、一帯一路の今を取り上げた回でした。
2018年2月、中国の覇権に不満を爆発させた市民による大規模なデモがモルディブで発生してしまいます。その結果、中国との関係強化を打ち出しているモルディブのヤミーン大統領は1か月以上の非常事態宣言を余儀なくされます。
モルディブのように中国への返済問題を抱えている国々は、モンゴルやラオス、パキスタン、キルギスなど先進国はお金を貸したがらない国が多くを占めます。結果、中国による債務の罠に陥ってしまう状況にあるようです。独裁政権下の発展途上国では、今後中国に反発するデモが増える可能性があります。
名産品でもあるドリアンが中国で大ブームのマレーシア。そんなマレーシアで92歳の年齢で首相に返り咲いたのがマハティール首相です。マハティール首相は就任直後に前のナジブ政権が進めていた東海岸鉄道と高速鉄道の二つの事業の凍結・撤退を表明するなど、脱・中国の動きが進んでいます。
中国との融和ムードを感じることも増えてきた日本ですが、日本近海を含む東シナ海では海洋覇権を巡って高い緊張感が続いていることが今回の未来世紀ジパングの取材で再認識しました。
日本の経済界の要望もあり、中国とは軍事面で敵対するのではなく、経済面で協力関係を築こうとしている日本。マハティール首相率いるマレーシアのように、中国とはしたたかに付き合う方が現実的にも、そして将来的な事を考えても良いのかもしれません。