なぜパリだったのか?2015年11月16日(月)の未来世紀ジパングは「緊急生放送スペシャル!池上彰がパリ同時テロを徹底解説!」でした

2015年11月16日(月)放送の未来世紀ジパングは、11月13日(金)夜に発生したパリ同時テロを受け「緊急生放送スペシャル!池上彰がパリ同時テロを徹底解説!」というジャーナリスト池上彰氏が解説する1時間半の生放送回に急きょ変更されていました。

パリ同時テロ発生から3日後に放送された生放送回だけあり、テロ発生直後のフランスの生々しい状況や、知られざるイスラム国の現状など、重いテーマでありテロ組織の現状について知識を深めることができる重要な放送回だったと思います。

エッフェル塔や凱旋門など観光地が多いエリアではなく、警備が厳重ではない一般市民が住むエリアを狙った狡猾的なパリ同時テロ。テロが起こったのはイスラム教徒も多い地区でもあり、まさかテロは起こらないであろうと思っていたフランス人も多かったようです。

パリ同時テロは実行犯8人のうち4人がフランス人という、生まれ育った祖国に牙を向いた悲しい現実もあります。フランスをはじめヨーロッパの移民が、イスラム国に加わるケースも残念ながら増えているとの事。

イスラム国による犯行声明では標的リスト(十字軍)についても言及されており、アメリカ、イギリス、フランス、ベルギー、ロシアなどイスラム国に対する空爆に参加・協力する国が載っています。日本も人道支援を行っているため、この標的リストに載っている可能性が高いかもしれません。

ただ、この空爆は確実にイスラム国の戦力を削ぎ、彼らに焦りを生み出しているようです。イスラム国の重要都市シンジャールをクルド人部隊が奪還した上、空爆によってイスラム国の顔とも言えるジハーディ・ジョンや、バグダディ最高指導官を殺害もしくはダメージを与える事に成功した可能性が高いとのこと。

イスラム国の戦力がそがれ、焦りが生まれているからこそ、ヨーロッパで過激思想に侵された若者たちがテロ行為に手を染めるリスクも高まっているのかもしれません。イスラム国に詳しい専門家も、EUパスポートを持っている若者ほど危険だと池上さんのインタビューで言及されていました。

またイスラム国への対抗策として国際社会がまとまることで、ウクライナ問題で孤立していたロシアが国際社会への復帰を果たしつつあるようです。フランス・パリで起こった同時テロによって、国際情勢にも大きな変化が起こり始めています。

パリ同時テロは日本も他人事ではありません。ヨーロッパやアメリカのように武器が溢れているわけではありませんが、伊勢志摩サミットも控えていますし、まったくの無関心ではいられないと思います。人道支援をする国として、平和な日常をしっかり続けることが、最大のテロ対抗策になるのかもしれません。

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