マリンバイオテクノロジー社やテクニカン社の独自技術がスゴイ!!ガイアの夜明け「”鮮度”を運ぶ!」感想&評価
2015年11月17日(火)放送のガイアの夜明け「”鮮度”を運ぶ!」は消費者の”新鮮さ”へのニーズの高まりを受け、これまでとは全く違う技術で地方から東京へ生きたまま魚を運ぼうというマリンバイオテクノロジー社や、日本の果物のおいしさで世界を驚かせようという銀座千疋屋とテクニカン社の挑戦を取り上げた回でした。
番組冒頭、東京・銀座にある活魚専門店「大漁市場 なるみ乃」と、運営会社である株式会社丸吉水産の鳴海雄樹社長が紹介されていました。鳴海社長は専用車で活魚を運んで店内の生け簀に移し、鮮度抜群の刺身や魚料理をお客さんにふるまっています。
なるみ乃では大量の海水と一緒に魚を専用トラックに積んで運んでいますが、輸送中に魚同士がぶつかり合って途中で死んでしまったり、酸素の供給や海水の温度管理をするため高価な装置をトラックに付けたりと、かなりの手間やコストがかかっているのが実情とのこと。
こうした課題を解決するため、長崎県立大学大学院の久木野憲司教授は福岡・宗像市のマリンバイオテクノロジー社に協力し、高い濃度の二酸化炭素が溶けている海水に魚入れることで”眠らせる”という独自技術を編み出します。
魚が眠ってしまえば運んでいる最中に泳いでぶつかり合うこともありませんし、魚が消費する酸素もぐっと減らすことができます。番組では魚を眠らせ、九州から東京までの約1,200キロの距離をトラックで運ぶという実験の模様が取り上げられていました。
実証実験の結果、20匹のイサキが全て生きたまま輸送に成功していました。この実験の成果を聞きつけた日本航空もマリンバイオテクノロジー社を声をかけるなど、着実に次につながっているようです。地球の裏や砂漠で日本のお刺身が食べられる日もそう遠くないかもしれません。
ガイアの夜明け後半では、日本で栽培された果物のヨーロッパ進出が紹介されていました。りんご、なし、ぶどうなど、日本の果物は世界でも人気です。しかし日本の果物の輸出先は、そのほとんどがアジア圏だそうです。
日本から遠く離れたヨーロッパなどへは採算度外視で輸送コストを掛けない限り、鮮度を維持できない状況とのこと。何とか欧米にも日本のおいしい果物の味を広めようと、120年の歴史を持つ老舗の高級フルーツ店「銀座千疋屋」は“冷凍技術”に着目します。
日本伝統の果物である桃を新鮮な状態でヨーロッパに届けるため、銀座千疋屋は横浜市にある株式会社テクニカンの限りなく生に近い鮮度と味を保ったまま冷凍できる独自技術「凍眠(とうみん)」を採用します。
2015年10月下旬、フランスで開催されたチョコレートの祭典「サロン・ド・ショコラ」に銀座千疋屋はブースを出展し、テクニカン社の凍眠で凍らせた浅間白桃をふるまっていました。来場者からも美味しいと評判で、今後ヨーロッパへの展開に期待を持たせる内容でした。
活魚や果物など、日本の美味しい食材は世界でも十分に通用すると当ブログ管理人KENは確信しています。唯一の懸念点は海外輸送の難しさだと思いますが、今回のガイアの夜明けを視聴し、この問題もいずれ解消されると感じました。TPPで日本の農業は苦戦すると言われていますが、攻めの農業・漁業と独自技術のタッグで、世界に打って出るチャンスでもあると思います。