焼き鳥、そば、温水便座、そして日中関係と盛りだくさん!未来世紀ジパング「あの沸騰現場の“その後”追跡スペシャル」視聴レビュー
前週がお休みだったこともあり、2015年3月30日(月)放送の未来世紀ジパング「あの沸騰現場の“その後”追跡スペシャル」は通常よりも30分長い1時間30分のスペシャル回でした。2011年11月の放送開始から約3年半、80を超える国と地域の沸騰現場を取材してきた“その後”を取り上げた回です。
まず最初に番組でその後が紹介されたのが、2012年11月5日に放映された「世界に羽ばたく!ニッポンの技術第6弾 日本食ブーム!陰の主役・食品ロボット」で取り上げられた“串刺しロボット”のその後です。
神奈川県・相模原市のコジマ技研工業有限会社は、焼き鳥からおでんまで何でも串刺しにできる優れた食品ロボットを開発・販売している町工場です。2012年11月の取材から2年半、コジマ技研工業の串刺し機械はインドネシア・ジャカルタで焼き鳥ブームを生み出すまでに成長していました。現在、コジマ技研工業の海外売り上げは2年半前の約3倍、7,000万円にまで拡大しています。
インドネシアで焼き鳥が大人気になった理由の1つが、タピオカミルクティーをインドネシアに持ち込み一大で大成功した富豪マイケルさんの焼き鳥チェーン「トリイチ」展開です。コジマ技研工業の串刺しロボットを採用し、2015年1月に一号店をオープンさせたばかりですが、大人気でさっそく多店舗展開につながっています。
インドネシアにおける焼き鳥ブームは日本企業にとっても追い風になっています。飲食店を経営するくふ楽グループ運営の「福みみ」も2015年2月にインドネシアに初出店し、週末は満席になるほどの人気とのこと。インドネシアのようにイスラム教の戒律で豚肉が食べられない国では、今後日本の焼き鳥がブームになると思います。
コジマ技研工業の串刺し機械の次に紹介されていたのが、ヨーロッパへ渡った「温水洗浄便座」のその後です。当ブログでも過去に記事にした回「ニッポン再発見!お土産に商機あり!」で紹介されていたウォシュレットのTOTOの取り組みが紹介されました。
前回の放送から約1年半、ヨーロッパで日本の温水洗浄便座を普及させるためにTOTOでは専門部隊をヨーロッパに配置し、世界最大級のドイツの見本市に出展するなど攻勢を強めています。
今回の未来世紀ジパングから番組初登場となった秋元玲奈アナウンサーが、ドイツ人の家庭や見本市に突撃取材を行っていました。ヨーロッパでは温水便座を知らない人が多いものの、中国・韓国・ヨーロッパ勢の温水洗浄便座が見本市に展示されるなど、市場の将来性としては今後期待が持てる状況のようです。
番組3番目に紹介されたのが、2013年2月4日放送の「世界を席巻する日本食第2弾…沸騰!日本式”ファストフード”」で海外初出店の現場が取材された立ち食いそばチェーン最大手の「ゆで太郎」です。
放送から2年、共同経営者が退職し、ゆで太郎システムの台湾でのチェーン展開も1店舗のままと苦戦していました。そばのライバルと言えるうどんが台湾で大きなブームになっていたからです。
台湾におけるうどんブームの火付け役が、日本国内に800店舗近く展開する大手うどんチェーン店の「丸亀製麺」です。丸亀製麺を運営するのは株式会社トリドール(東証1部上場、証券コード:3397)です。丸亀製麺で使える100円割引券の株主優待があることでも有名な企業です。
うどんに押されるそばですが、ゆで太郎も状況にただ甘んじているわけではなく、反転攻勢に出ていました。ゆで太郎は台湾大手企業のSESODAグループと組み、プロモーションを強化しながら2号店以降の出店を計画しています。今後の台湾におけるそば文化の浸透が期待されます。
未来世紀ジパングの最後に紹介されたのが、日本企業に就職した中国人女性のロイさんです。2012年10月放送の「中国の行方~反日デモの裏で起きていたこと」で日本企業への就職に成功し、現在はGREE(東証1部上場、証券コード:3632)でヒットゲームを生み出すほどに活躍されています。
今回の未来世紀ジパングスペシャル回では、沸騰ナビゲーターの山口義行さん(立教大学経済学部教授)と後藤康浩さん(日本経済新聞社 編集委員)のお二人が登場され、さらに新しいナレーターとして初代ナレーターの故・蟹江敬三氏のご子息、蟹江一平氏が就任されるなど、大きな変化が感じられる回でもありました。
ちなみに未来世紀ジパングの公式サイトで見れるWEB限定「ジパング・お蔵入り映像」では、立ち食いそばチェーンゆで太郎の新メニュー「台湾油そば」や、インドネシア・ジャカルタで人気が続く焼き鳥、そしてヨーロッパで浸透しつつあるTOTOのウォシュレットが紹介されていました。こちらも要チェックです。