日本人の知らないキューバとソマリランド、未来世紀ジパング「“謎の国”潜入スペシャル!」視聴レビュー

2014年12月22日(月)放送の未来世紀ジパング「“謎の国”潜入スペシャル!」は2014年最後の放送回ということもあり、通常よりも1時間長い2時間スペシャルでした。当サイト管理人の自営業者KENもよく知らないキューバとソマリランドが紹介された貴重な回でもあります。

番組前半に取り上げられたカリブ海に浮かぶキューバは、楽園やサルサといった陽気なイメージの一方で、革命にゲバラといったハードなイメージも併せ持つ社会主義国家です。

ノーベル文学賞作家のアーネスト・ヘミングウェイが名作「老人と海」を執筆したのもキューバです。革命でアメリカとの国交が断絶された1950年代で“時が止まった街”としてハバナは世界から観光客が殺到しているそうです。

社会主義国家のキューバでは大学院まで生涯教育費が無料、医療費も一生無料、日本より医師は3倍も充実しているとのこと。2014年12月には53年間交流が無かったアメリカとキューバが電撃的に国交正常化を発表する一大ニュースもありました。

番組ではカポーテと呼ばれる葉を使った世界最高峰の葉巻タバコの生産風景や、娯楽のための国内唯一のアイスクリーム店に行列を作る国民の映像も流れており、キューバの現状をより深く知ることができました。

キューバでは資本主義的な政策も徐々に始まっています。例えばキューバ国営レストランは国内に9,000店もあるそうですが、個人による民営食堂も解禁され、中には鉄板焼きをふるまう日本食レストランも誕生しています。

またキューバのプロ野球選手たちとの契約が外国にも開放され、2014年に横浜DeNAで大活躍したグリエル選手のように国外で合法的にプレーし、大金を得る選手も出てきています。今後、医療や敢行などの分野で日本もキューバと良好な関係を構築して行けそうです。

番組後半は映画「ブラックホークダウン」でも描かれた激しい内戦が続く国、“アフリカの角”と呼ばれる東部に突き出たソマリアの未承認国家「ソマリランド」について取り上げられていました。ソマリランド、管理人KENも初めて名前を聞いた国です。

ソマリランドの首都ハルゲイサは人口約350万人、大きなビルは無く、赤い屋根の家が立ち並ぶ普通の街のような雰囲気です。ソマリランドの多くはイスラム教徒だそうです。宗教の影響かテレビ撮影されることを極端に嫌がるシーンが放映されていました。

1980年代に激化したソマリア内戦によって街には戦いの傷跡が残るものの、ソマリランドは23年間にわたり平和な状態が続いているそうです。ただし、水道や道路などの生活インフラは国家レベルには達していません。

ソマリランドの通貨は“シリング”で、1ドルあたり7,000シリングになります。ちなみに炭酸飲料のスプライトの価格は2,500シリング、日本円にしておよそ43円です。また街を走っている90%の車が古い日本車です。

ソマリランドの高級ホテルでは無料Wi-Fiは使えるものの、国家として国際的に承認されていないためクレジットカードは使えません。治安が非常に良いこともあってか、ソマリランド銀行(=中央銀行)では紙幣が手押し車で運ばれるなどかなり雑に扱われています。

ソマリランドの産業はラクダで、サウジアラビアやドバイに輸出されるラクダが国の歳入の75%を占めるそうです。ラクダは1頭1,000ドルの価格で販売されているとのこと。番組で流れたラクダ肉料理は中々おいしそうでした。

麻薬成分を含んだカート(チャット)という覚醒植物が普通に路面で売られており、酒が禁止のイスラム教の娯楽としてソマリランドで広まっているようです。ただしこのカート、ほかの国では当選違法です。

そんな未承認国家ソマリランドで初の大学院「日本ソマリランド大学院」を開校するために孤軍奮闘しているのが、途上国の教育支援を行う社会起業家、税所篤快(さいしょ・あつよし)さんです。なんと若干25歳という若さ!

未承認国家であるソマリランドは海外から投資が得られないため、産業が育たないというデメリットがあります。そこで税所さんはクラウドファンディングで100人以上の賛同者から200万円の資金を集め、起業家育成に特化した大学院をソマリランドに作ろうと活動しています。

税所さんはソマリランド副大統領からサポートの約束を取り付けることに成功し、ソマリランド国内のテレビでも大々的に報道されました。しかしその結果、税所さんのFacebookに過激派グループに属する男から殺害予告が書き込まれてしまいます。

安全のため税所さんはいったん日本に帰国するものの、暗殺予告から2週間後の2014年11月2日に現地入りし、ソマリランド情報省の協力で殺害予告犯は逮捕。そして11月6日に無事、日本ソマリランド大学院の開校式が執り行われました。1人の日本人の若者が、国を変えた日でもあります。素晴らしい活動だと思います。

日本ソマリランド大学院の学長でもあり、沸騰ナビゲーターとして番組に出演された米倉誠一郎氏(一橋大学イノベーション研究センター教授)は、未来予測で「未知なる国でニッポン新発見」と発表されていました。

キューバやソマリランドなど日本人にとって馴染みの薄い国にこそ、日本を新発見するために日本人は積極的に出向く必要がある、というお話でした。

個人的にもこの未来予測には大賛成で、自分を含め日本人はもっと観光地以外の海外へと積極的に飛び出していくべきだと思います。管理人KENも今年、東南アジアに仕事を探しに行こうと計画しています。

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