東洋の真珠は輝き続けられるか!?未来世紀ジパング「ニュースが伝えない「香港」異変!~中国返還から17年 今何が起きているのか~」視聴レビュー

1997年、「東洋の真珠」と呼ばれた香港がイギリスから中国に返還されれます。中国返還から17年後、2014年9月22日(月)放送の未来世紀ジパング「ニュースが伝えない「香港」異変!~中国返還から17年 今何が起きているのか~」では、異変が起きている香港の現状について取り上げていました。

香港の商業地「銅鑼湾(コーズウェイベイ)」は、世界第1位の賃料を誇り、年間15%も家賃上昇が続いているエリアです。ちなみに世界第2位がニューヨーク・5番街、第3位がパリ・シャンゼリゼ通り、そして世界第5位が東京・銀座であることからも、銅鑼湾の賃料の高さがうかがい知れます。

その銅鑼湾(コーズウェイベイ)で繁盛しているのが、金やダイヤなどを販売するジュエリーショップです。主な客は中国本土からの観光客です。中国本土から香港を訪問する観光客は急増し、直近1年では4,000万人を超えたそうです。

しかし今、その中国人観光客のマナーの悪さが香港市民との間にトラブルを引き起こしていました。観光客を装った“水客”と呼ばれる違法な運び屋が日本製の粉ミルク、紙おむつ、そしてヤクルトなど大量の食料や日用品を香港で買い付け、中国へと運び届けて利益を得ています。これにより、香港では品不足や価格の高騰につながり市民の不満が噴出しています。

香港のトップである行政長官を決める選挙の民主化を訴え、2014年7月1日の返還記念日、香港では過去最大規模51万人もの市民がデモ行進を行いました。10~20代前半の民主派グループ「学民思潮」には、“学民の女神”と呼ばれる17歳の女子大生、周庭さんがいます。

未来世紀ジパングの大橋未歩アナウンサーが周庭さんに直撃インタビューを行っていましたが、映像を見る限りは普通の女子大生という印象でした。8月31日に中国政府が行政長官を決める選挙には中国政府が認めた者しか立候補できない、という発表を行ったことで、周さんたち学民思潮は即日デモを実施。そして今、10月1日に香港の金融街セントラルをデモ封鎖するか、世界が注目を持って見守っています。

番組終盤、毎年約50万人が訪れる世界最大の食の見本市、香港フードエキスポの模様が放映されました。今年も日本全国38都道府県から様々な食材が出展しました。その中で今年初めて香港にやってきたのが、岩手県三陸町の干しアワビです。

2011年3月の震災で養殖施設が全滅してしまった古川社長率いる北日本水産でしたが、母アワビが奇跡的に生き残っていたことでアワビ養殖を復活。香港日本料理店協会のフランキー・ウー会長には低い価格評価を付けられるものの、香港フードエキスポで出会った巨大食品グループ「四州貿易」に気に入られ、大きなビジネスにつながりそうな雰囲気でした。

沸騰ナビゲーターの後藤康浩氏(日本経済新聞社編集委員)は未来予測で「「東洋の真珠」の輝きは消えない」を掲げられていました。観光客や政治面など様々な問題はあるものの、香港は中国にとって経済の国際化、人民元の国際化を進めていく上で欠かせない“金の卵を産む鶏”のような存在のため、その輝きを消すようなことは中国もしないのであ、という予測です。

香港は日本が力を入れている農水産物輸出の最大の輸出先であり、中国の愛国教育を受けていないため日本に対する感情もポジティブなものが多い貴重な地区です。日本企業も中国やアジアでビジネスを拡大するためにも、香港の民主化や発展には注視していく必要があります。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です