稲盛和夫氏の昭和の経営が中国で人気に!未来世紀ジパング「驚きの“拝金主義”中国を変える!ニッポン式“こころの経営”」視聴レビュー

2014年1月27日(月)放送の未来世紀ジパング「驚きの“拝金主義”中国を変える!ニッポン式“こころの経営”」を視聴しました。拝金主義がはびこる中国で、“こころの経営”で有名な日本の名経営者、JALを再生した稲盛和夫氏の人気が高まっている事を知ることができた回です。

番組冒頭、広州駅で帰省客向けに偽物スマホバッテリー(なんと砂入り!)を販売する悪質な露天商の模様が流れていました。モラルや品質が低く、偽物や劣悪な商品の多い中国。街頭インタビューでも詐欺まがいの商売が横行していると多数の中国人が嘆いていました。

急速な経済成長や先富論によって拝金主義がはびこる中国では、羊のしゃぶしゃぶの羊肉にキツネやネズミの肉が使われていたり、下水から汲み取った廃油が販売されるなど、モラルに欠ける商売が目立っています。

中国で10%以上の成長率を維持している街、成都において最大の不動産仲介業者「伊誠不動産」でも悪質な商習慣に従い売上を伸ばしていました。しかし嘘が客にバレ始めると会社にクレームが殺到。

そんな時、“こころの経営”で有名な日本の名経営者、JALを再生したあの稲盛和夫氏を知り伊誠不動産の徐社長は心を入れ替えます。稲盛哲学に沿って、これまでの手法を180度転換し、誠心誠意ビジネスを行うようになります。結果、売り上げも右肩上がりに増えるようになったそうです。

中国では書店に稲盛氏のコーナーが出来る程の大人気、なんと総計350万部を超えるベストセラーとなっています。2013年10月、徐社長の会社では6,000人が集まる社員集会を開き、そこに特別ゲストとして稲盛氏を招きます。番組ではその模様を取り上げていましたが、会場を埋め尽くした社員が大熱狂していました。稲盛さん、本当に中国で大人気のようです。

稲盛哲学は非常にシンプルで、「人間として正しいことをする」「嘘はつかない」そして「利他の心」の3つが、稲盛経営哲学の最重要要素となっています。

中国国内では稲盛氏の経営哲学を学ぶセミナーが定期的に開かれており、そこでは1500人もの経営者達が稲盛経営を実践した体験談の発表に真剣に耳を傾けています。

そんな体験談を発表した参加者の一人が、急成長しているエステサロンチェーン「芳子美容」の経営者、龔臣(キョウ・シン)社長です。エステ業界ではスタッフの給料は歩合制がほとんどのため個人主義が蔓延し、エステ中に美容クリームなどの関連商品をスタッフが客に押し売る事も日常化していました。

危機感を抱いた龔社長は、稲盛氏の唱える「他人を思いやるこころの経営」で会社を建て直そうと取り組みを始めます。お客さんにスタッフを2人付けることで悪質な個人主義を抑えると同時に、お客さんに顧客アンケートに回答してもらうことでスタッフ評価を行うように改善します。

また社員やスタッフ同士の結束を深めるため、稲盛氏の京セラのように日本ではもうあまり見なくなった社員参加型の一大イベント、社内大運動会も開催。参加者同士が励ましあうなど、龔社長が期待した成果が表れているようでした。

沸騰ナビゲーターの高柳正盛氏(日経ビジネス発行人)は、未来予測で「“昭和の経営”が世界に影響」を掲げられていました。運動会やコンパ、社歌・社訓・社是などを用いて時代を築いた日本の“昭和の経営”が、世界で再び注目されているそうです。

グローバル時代になり株主利益が重要視されるようになってきましたが、稲盛和夫氏の「社員の幸せを第一に考える」という経営理念も世界中で受け入れられつつあるとのこと。

その証拠に日本で開催された就職セミナーには、日本の家族経営に魅力を感じ日本での就職を希望する外国人の学生が殺到しているそうです。また仏教や儒教がベースにある中国等のアジアだけでなく、稲盛氏の経営哲学を学ぶ「盛和塾」がアメリカでも浸透し始めているそうです。

この“昭和の経営”が世界中に広がることで、日本企業が海外進出する際に受け入れられる土壌になると高柳氏は話されていました。企業として何が大事なのかを理解することで、グローバル市場でも売り上げや顧客満足度を上げることはできそうです。

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