安い・早い・ヘルシー・クール・フルコースな日本文化がBENTO!未来世紀ジパング「ニッポン再発見③ フランス人が夢中!ニッポンのお弁当」視聴レビュー

2014年1月6日(月)に放送された未来世紀ジパング「ニッポン再発見③ フランス人が夢中!ニッポンのお弁当」を視聴しました。2014年最初の未来世紀ジパングは日本はもちろん、フランスをはじめとした海外でも人気の高まっている日本文化「お弁当」を取り上げた回です。

番組によると日本では1,400年前に弁当が誕生し、室町時代には重箱ができ身分の高い人々が弁当を楽しみ、江戸時代には庶民が歌舞伎で弁当を食べるようになる、という歴史ある日本文化です。

番組冒頭、2013年10月に横浜で開催された「インターナショナルBENTOコンクール」というお弁当コンテストの模様から始まります。コンテスト参加者のフランス人、アニータさんが作った“おじいさんの野菜畑”はとても美味しそうです。ちなみに優勝作品のタイトルは“瀬戸内の味”でした。

アニータさんの故郷、美食の国フランスでは今、日本式の弁当が大ブームになっているそうです。和食とフレンチがミックスした「NetBento」というお弁当専門店では昼時には長い行列ができ、1日で500食を売り上げることも。

ネオ・ベントーのオーナーによると、日本の弁当というコンセプトがフランス人を魅了しているのだそうです。とくにフランス人にとって“箱の中で仕切られている”、という点がお弁当の高評価につながっているようです。

フランス・パリで昼時になると大行列ができる店、それが日本人が経営する弁当店「十時や」です。から揚げ弁当にシャケ弁当など、日本式の弁当をそのままの味とスタイルで販売しています。昨今の弁当ブームもあり、1日に400食も売れる人気店になっているそうです。

フランスで日本のお弁当がブームになっている理由の1つは、肉も野菜も豊富でバランスが取れているのに安い価格だという事。フランスのお弁当代は1,000円以上もして日本人には高く感じますが、これまでのフランス人のランチは3,000円近いコースということなので、フランス人にとってはお弁当の方が圧倒的に安く感じるようです。

お弁当のデリバリーサービスも人気で、番組ではルイ・ヴィトンやカルティエにお弁当を配達しているシーンが放映されていました。また所得の中間層にあたるサラリーマンが、リーズナブルな価格で素早く食べられる事も、お弁当人気につながっているそうです。

そして忘れてはならないのが、日本のアニメや漫画の影響です。NARUTO、ONEPIECE、進撃の巨人といった日本の人気マンガを扱うお店では、弁当箱の販売も行っています。日本のマンガでは学校や職場で昼に弁当を食べているシーンがあり、こうした漫画を読んだフランス人が弁当に興味を持つようになっているそうです。

面白いのはフランスでは「ランチボックス」よりも「ベントー」という言葉がクールに感じられる点。日本人にとっては「お弁当」は少々ダサいイメージもありますが、フランスでは逆にオシャレ、かっこいい、可愛いといったイメージがあるようです。

フランスのトゥールーズ大学では、昼時になると女子大生のローラさんのお弁当に注目が集まります。他の学生がインスタントラーメンなど簡単な昼食を取る中、ローラさんのお弁当はハート型のおにぎりや卵焼き、チキンカツやパプリカなど手の込んだ品々が詰め込まれています。書店でも日本のお弁当レシピ本が多数揃い、キャラ弁に取り組む人も増えているそうです。

フランスをはじめ世界でお弁当の人気が高まると、「お弁当箱」も売れるようになります。古都・京都にある日本唯一の弁当箱専門店「Bento&co」。こけし二段弁当やブック弁当など、ユニークなお弁当箱を700種類以上も販売しています。驚いたのはこのお店のオーナーが、ベルトランさんというフランス人だという点です。

日本製の弁当箱に惹かれ京都に店を出し、店頭だけでなく2008年からはネット通販もスタート。すると海外から注文が殺到、年間1億5000万円を売り上げ、その4割をフランスが占めるそうです。

「Bento&co」は石川県加賀市の伝統産業である山中漆器のお弁当箱を仕入れています。漆器メーカーからお弁当箱メーカーに転身した株式会社たつみやに6年前にやってきたのが、「Bento&co」のベルトランさん。ベルトランさんのお店から弁当箱を世界に発信することで、復活の兆しが見えてきたそうです。

たつみやでは伝統の技・蒔絵を使い、浮世絵をテーマにした最高級の新しい弁当箱も開発しました。大阪で開催された弁当箱の展示会では、たつみやの「蒔絵の弁当箱」が海外との取引が多いバイヤー達からも高い評価を得ていました。ヨーロッパはもちろん、中国人のお土産として売れそうだ、とバイヤーもコメントしていました。

沸騰ナビゲーターの山口義行氏(立教大学経済学部教授)の未来予測は、「BENTOに続くNABEが世界を席巻」でした。弁当だけでは無く、お風呂、盆栽、畳、日本酒、そして鍋など素晴らしいコンセプトを持った日本文化はまだまだあります。

山口教授によると特に鍋には弁当に負けない、「何でも詰め込む」と「囲んで食べる」という2つのコンセプトが強みになるとお話されていました。和食の“和”は「平和」の和、「和睦」の和、「和解」の和という言葉は素晴らしいと思います。

お弁当や鍋以外にも、お箸やきんちゃく袋、炊飯器、冷凍食品などは海外で売れる日本文化・製品として今後ますます人気が高まりそうです。こうした商品を日本の職人が作り、海外に通販で売っていく事ができれば、伝統芸能の復活や継続にもつながりそうですね。

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