カンブリア宮殿「百戦錬磨ゲスト×ものづくり新世代 ものづくり若武者スペシャル ~造り方を変えろ!世界を変えろ!90分拡大版~」視聴レビュー
2014年最初のカンブリア宮殿は、90分拡大版スペシャル!2014年1月9日(木)のカンブリア宮殿「百戦錬磨ゲスト×ものづくり新世代 ものづくり若武者スペシャル ~造り方を変えろ!世界を変えろ!90分拡大版~」を視聴したので、そのレビュー記事を当ブログに記しておきます。
スペシャル回ということで、ものづくり“百戦錬磨”ゲストに過去にカンブリア宮殿に出演した事のあるコマツ(東証1部上場、証券コード6301)の坂根正弘(さかね・まさひろ)相談役と、工業デザイナーの川崎和男(かわさき・かずお)氏が登場。
さらに、ものづくり“新世代”ゲストとしてCerevo(セレボ)CEOの岩佐琢磨(いわさ・たくま)氏、アンドゥアメット代表の鮫島弘子(さめじま・ひろこ)氏、そしてクロスエフェクト社長の竹田正俊(たけだ・まさとし)氏が登場しました。ものづくり新生代ゲストは皆さん35~40歳という若さです。
新春若武者スペシャル、最初の新世代ゲストは元パナソニックという経歴を持つ家電ベンチャー「Cerevo(セレボ)」の岩佐CEOです。セレボが生み出した家庭用カメラから誰でも簡単にネットへ動画配信できる「LiveShell(ライブシェル)」シリーズは、累計1万台売れたヒット商品です。
そんなセレボ最大の特徴は、今までの家電メーカーの常識を変える自由自在な“ものづくり”です。わずか13人の社員でデザイン・機械設計・ソフト開発・マーケティングなど家電メーカーと同じ機能を分担し、工場は持たず製品ごとに最適な国を選んで製造しています。
さらにCerevoでは、商品によっては企画の時点で購買希望者を募り、資金が集まると製造を開始する独自クラウドファンディング「セレボ・ダッシュ」も展開。この仕組みによりスマホからシャッターを撮れる「SmartTrigger」(スマートトリガー)等のヒット商品も生まれているそうです。
岩佐社長が話されていた「1か国で100台しか売れない商品はクソだが、100か国で100台なら計1万台売れる商品になる。そうしう商品を作って行きたい。」という考えには、当サイト管理人自営業者KENも共感できる部分がありました。
続いて登場した“ものづくり”若武者が、1年の半分を世界最貧国の1つエチオピアで過ごすという「andu amet」(アンドゥアメット)代表の鮫島弘子氏です。世界最高峰の羊皮「エチオピアシープスキン」を使った女性向け革バッグを製造・販売している1人会社です
アンドゥアメットのバッグは1つ10万円と決して安くはありませんが、モチモチと吸い付くような独自の手触りと、驚くほどの軽さ、そして優れたデザイン性で予約待ちが出るほどの人気となっています。
化粧品メーカーのデザイナーを経験後、海外青年協力隊でエチオピアに赴任した鮫島氏は、エチオピアシープ革の魅力に出会う一方、その貴重な革がエチオピア国内に何の恩恵ももたらしていない現状に衝撃を受けたそうです。
そこで鮫島氏はエチオピア発の高級バッグメーカーの設立を決意し、世界的な高級ブランドでノウハウを学んだ後、エチオピアの首都アジスアベバに工房を設立。「andu amet」(アンドゥアメット)の発展につなげています。
カンブリア宮殿新春スペシャル回の最後に登場したのが、株式会社クロスエフェクトの竹田正俊社長です。竹田氏は高い技術力を持つ京都の町工場100社が集まる「京都試作ネット」の代表理事を務める方でもあります。
竹田氏が経営する立体造形を作る町工場・クロスエフェクトでは、徹底的にスピードにこだわって試作品を生み出すビジネスで成長を続けています。世界最速の速さをキャッチフレーズに、図面を渡されてから最短で24時間後には精巧な立体の試作品を納品しているそうです。
そんな竹田のクロスエフェクトが今注目しているのが、医療業界の心臓模型です。小児科医から依頼され作り出した原寸大の心臓模型は、やわらかく心臓内部の空洞や欠陥も精密に再現されています。これが難しかった心臓手術を変えようとしているそうです。
またクロスエフェクトでは、試作品製造だけでなくデザインビジネスにも進出し、NTT西日本の光BOX+リモコンの受注にも成功しています。試作品のスピード開発だけでなく、試作品そのものをデザインし最速で生み出すビジネスは、他の企業との大きな差別化になると思います。
村上龍氏も編集後記で書かれていたように、「トレーニング」「デザイン」「ネットワーク」の3つは、ものづくり成功のキーワードだと思います。そしてもう1つ、何より大切なのが「挑戦心」ではないでしょうか。今回のカンブリア宮殿で勇気をもらえたので、自分も自営業者として挑戦心を忘れず取り組んで行きたいと思います。