イーグルバスとしずてつジャストラインが登場!ガイアの夜明け「走れ!ローカル路線バス ~地域の足を守る切り札とは?~」視聴レビュー
2014年9月2日(火)放送のガイアの夜明け「走れ!ローカル路線バス ~地域の足を守る切り札とは?~」の視聴レビュー記事です。8月2日(土)に開催された「サザンビーチちがさき花火大会」の観客を駅まで送り届けるバス風景から始まった今回のガイアの夜明け、テーマは地域の足を守る「路線バス」です。
路線バス業界では乗客数の減少で多くの路線バスが赤字に陥り、年間では約1,000キロもの路線が毎年廃線となっているそうです。また運転手不足も深刻で、人材不足に悩まされているバス会社も少なくありません。
赤字路線は乗客を増やすのは難しいという常識を覆したバス会社が、埼玉県川越市に本社を置くイーグルバス株式会社です。川越市内で昔懐かしいボンネットバスを走らせ、運転手が観光ガイドも務めるという面白い取り組みで乗客数を伸ばしています。
そのイーグルバスが西武バスから受け継いだのが、廃線の危機にさらされていた埼玉県日高市のバス路線です。バス路線を引きついた後、イーグルバスは徹底的な顧客目線に立ち、「電車への乗り継ぎが時間ギリギリのため、電車に間に合うようダイヤを改善」「遅延データをもとに路線ダイヤを修正」等の施策を打って顧客満足度を高めているそうです。
さらにイーグルバスでは、おでかけサポート便という新サービスもスタートさせます。路線内にある団地の住民がバスに乗っている場合、団地の入り口まで送り届けるサービスです。こうした取り組みが功を奏し、引き継いだ埼玉・日高市の路線バスの乗客数は以前に比べ25%も増加したそうです。しかしまだ黒字化には至っていないため、今後もイーグルバスでは改善を続けていくとのことです。
番組後半で紹介されていたのが、高校生を積極的に採用することで運転手不足解消につなげている静岡県中部の路線バス「しずてつジャストライン株式会社」です。番組アンケートによると、バス運転士として高校新卒を採用しているのは全国に約6%しかいないそうです。
大型二種免許の取得には普通免許を取得してから3年以上が必要なため、バス業界では高校の新卒を採用することはほとんど無いそうです。そこで「しずてつジャストライン」では、高卒者を対象とした「養成バス運転士」という制度を導入。要請バス運転士は入社後の数年、バス整備や事務などを担当した後、独自の運転技術を学び、大型二種免許の取得も会社から支援してもらえるバス運転手育成のための制度です。
ガイアの夜明けでは実際に要請バス運転士の小柳さんがバス運転士の試験に合格し、初めてお客さんを乗せる風景まで取り上げていました。バスが好きでバスの運転手になった青年が、今後成長していくであろう希望を抱かせてくれる内容でした。
赤字路線や運転手不足などバス業界が様々な問題を抱えているのが今回の番組ではよく分かりました。だからこそ、イーグルバスやしずてつジャストラインのように、独自の視点での取り組みが今後もっと必要になってくると思います。