未来世紀ジパング「池上彰の年末SP 知られざるニッポンの“貢献力”」視聴レビュー

2013年12月23日(月)に放送された2013年最後の未来世紀ジパング「池上彰の年末SP 知られざるニッポンの“貢献力”」を遅ればせながら視聴しました。池上彰さんが登場し、日本の貢献力について取り上げられた2時間年末拡大スペシャル回です。

バングラデシュの首都ダッカに池上彰さんとシェリーさんが降り立ったところから番組は始まります。株式会社ファーストリテイリング(東証1部上場、証券コード9983)が展開するユニクロが2013年7月に、“ソーシャルビジネス”(=社会貢献ビジネス)を世界最貧国の1つであるバングラデシュでやるために初出店していました。

中国に集中していた縫製工場は現在、賃金が中国に比べて4分の1ということもありバングラデシュに移転してきているそうです。しかし、総選挙を控え反政府勢力によるテロ活動など、問題も増えてきているのが現状です。番組でも池上さんが遭遇した爆発の瞬間が放映されていました。

世界で初めて食品としてミドリムシの大量培養に成功した株式会社ユーグレナ(マザーズ上場、証券コード2931)もバングラデシュの学校でビスケットを配るなど、最貧国における栄養失調問題の改善と、将来のソーシャルビジネス発展に向けた布石を打っていました。

ベンガル人の国という意味を持つバングラデシュは、人口約1億5000万人、シンガポールのような都市国家を除き人口密度世界第1位のアジア最貧国です。昔は東パキスタンという名前でパキスタンの一部だったバングラデシュ、国旗も日本の日の丸と大変似ている、世界でも有数の親日国の1つだそうです。

バングラデシュが300万人もの犠牲者を出した悲惨な戦争を経て1971年に独立した後、いち早く支援の手を差し伸べたのが日本です。バングラデシュのボンゴ・ボンドゥ記念博物館には、日本がバングラデシュを国家とした承認した新聞記事が飾られるなど、日本との友好を証明する展示物が並んでいます。

しかし、バングラデシュの歴史は建国の父ラーマン首相の暗殺、1974年の大飢饉など、苦難の連続を歩みます。独立後苦しむバングラデシュを、日本のODAがジャムナ橋など500の橋建造、総延長3,500キロの道路敷設、火力発電所建設などのインフラ整備で支えます。日本のバングラデシュへのODA援助額は、これまでに類型1兆4,803億円にものぼるそうです。

バングラデシュの有名人は、ノーベル平和賞も受賞したグラミン銀行の創設者ムハマド・ユヌス氏です。グラミン銀行は貧しい人向けのマイクロクレジット・システム(少額融資)を広め、ダノンやインテル、アディダス等と組んでソーシャルビジネスを展開しています。

そんなユヌス氏のグラミン銀行と組んでソーシャルビジネスを展開しているのが、株式会社雪国まいたけ(東証2部上場、証券コード1378)です。もやしの原料となる緑豆を現地の農家に生産してもらう緑豆プロジェクトを進めていました。始めたころは100人程度だった契約農家も、今は8,000人に増えているそうです。

雪国まいたけの緑豆事業は、バングラデシュの契約農家の収入アップにもつながっていました。バングラデシュ産のもやしも、2014年1月には「もやしのきずな」として店頭に並ぶようになっているそうです。

バングラデシュを象徴する乗り物が、日本の人力車から由来する三輪車「リキシャ」です。リキシャの運転手はリキシャワラと呼ばれ、低賃金の中、夢も持てない暮らしをしているとのこと。そうしたリキシャワラに夢を与えようと、日本人女性の北島亜美さんが“リキシャレース”を開催します。

ちなみにこのリキシャレース、企画立案から資金集めまで、全て北島さんが担当されたそうです。北島さんのことは不勉強で知らなかったのですが、調べてみると日経新聞でも取り上げられていました。企業だけでなく、北島さんのような個人活動でも人の人生を変える事が出来るのだと勇気をもらえました。

未来世紀ジパング年末スペシャルの後半は、フィリピン共和国が取り上げられていました。フィリピンを襲った大型台風30号は、これまでの死者数6,000人以上、不明者1,800人、そして避難者約400万人という甚大な被害をもたらしていました。

そんなフィリピンの被災地では、日本による“トモダチ作戦”が展開されています。自衛隊が持つ最大の護衛艦「いせ」を洋上拠点とし、過去最大規模約1,200人にも及ぶ自衛隊の海外派遣が行われていました。

また、日本赤十字社も医療チームをフィリピンに派遣し、救助活動を行っています。臨床心理士の森光玲雄さんもその1人。東日本大震災の際には南三陸でこころのケアに従事し、フィリピンでも親を亡くしPTSDに苦しむ子供たちのこころの声に耳を傾ける活動を行っています。

沸騰ナビゲーターの池上彰氏は番組の最後、未来予測で「“貢献力”が最大の外交カードに!」を掲げられていました。軍事力ではなく、日本が持つ資金、技術、民間の力、人、そして災害支援といった日本の貢献する力が、これからの世界で大きな外交武器になるのではないか、という見解でした。

2013年最後の未来世紀ジパングは、2014年の日本に明るい光を照らしてくれる良い内容だったと思います。ソーシャルビジネスや災害支援等、日本だからこそできることは数多くあります。平和を象徴する国、日本ならではの貢献で世界にも明るい兆しを差し込めるよう、1自営業者として微力ながら頑張って行きたいと思います。

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