日本ならではの支援が信頼を築く!未来世紀ジパング「沸騰!太平洋の親日国パラオ」視聴レビュー

2013年11月4日(月)に放送された未来世紀ジパング「沸騰!太平洋の親日国パラオ」を視聴しました。かつて日本が占領していた島国は、今では世界でも有数の親日国となっているそうです。その親日の理由と、太平洋の島国との未来について考えるきっかけを与えてくれた回です。

日本の南およそ3,000キロ、飛行機で4時間半、太平洋の楽園パラオに今、日本人観光客が殺到しているそうです。パラオを訪れる日本人観光客は年間4万人に迫り、ここ20年で倍以上に、そして1980年と比べると15倍にも増えているとのこと。まさに空前のパラオブームが起きている状況です。

パラオ人気の秘密は、世界遺産に登録された海と不思議な形をした島々「ロックアイランド」と、美肌効果があると言われる「天然の泥パック」、そして美しいサンゴ礁や魚たちを見ることができるシュノーケリング、毒を持たないクラゲにイルカとの触れ合いなどなど、感動体験を満喫できます。

そんなパラオは世界でもっとも親日的な国とも言われているそうです。花札に刺身、カリントウなど日本の文化がパラオの町中にも浸透していました。1914年からおよそ30年間、パラオは日本が占拠していたため、パラオ人の4人に1人は日系人とのこと。パラオのコロールは今も日本の建物が多数残っています。

1996年9月、韓国企業がパラオに建設した橋が突如崩落。交通の要を失い、パラオ初の国家非常事態宣言が発令されました。そこに手を差し伸べたのが日本です。島と島を結ぶ全長413メートルの「日本・パラオ友好橋」は日本の無償支援でつくられ、現在パラオの象徴になっています。さらに1994年にアメリカから独立したパラオの当時の大統領は、日系パラオ人のナカムラ・クニオ氏でした。

パラオ親日の理由は、日本のODAだけではありません。民間企業や個人によるニッポン式の貢献も、パラオの人々の生活を大きく変えていました。1984年に開業したパラオ発の本格リゾートホテル「パラオパシフィックリゾート」、自然の保護と開発の両立というカリスマ経営者、東急不動産の五島元社長の精神が、パラオの観光の手本になっています。そのこだわりは、パラオにゴルフ場が無いことからも見て取れます。

ただし、観光客が増えればごみも増えます。島の深刻なゴミ問題に立ち向かっているのが、藤勝雄さん。パラオにリサイクルセンターを立ち上げ、パラオ人の雇用も生み出し、一石二鳥の環境事業を手掛けています。

番組の後半に紹介されていた、海に面したパラオの幹線道路沿いで建設中のコンクリート5階建ての建物。この建物はパラオ初の中国資本によるリゾートホテルだそうです。他にも総工費20億円の巨大リゾート「パラオスターホテル」建設計画も動いているなど、チャイナマネーがパラオに進出してきています。

2012年には、中国の密漁船にパラオ海上警察が発砲し、中国人の船員一人が死亡した事件が発生しました。番組ではその時の写真も掲載されていましたが、なんと乗組員は大事な船に火をつけて逃亡を図ったとのこと。ただの密漁船に、果たして火を放って証拠隠滅をはかるでしょうか・・・。

沸騰ナビゲーターの太田泰彦さん(日本経済新聞社論説委員兼編集委員)は未来予測で「それでも親日は続く!」と宣言されていました。パラオを始め、南太平洋の島国では中国の経済的な攻勢が進んでいるものの、日本が好かれる要素はたくさんあるとの事。

例えば、パラオでのゴミのリサイクルは観光が資源である島国にとっては喉から手が出るほど欲しい仕組みです。他にも「沈みゆく島」と言われるツバルでは、東京大学などの研究チームが国土を維持する為のサンゴや有孔虫を研究しています。また過去に地震による津波で死者を出したフィジーでは、地震計や潮位計なども日本が提供しています。

資金だけでない最新の技術やノウハウの提供と、日本人の努力する姿があれば、パラオをはじめとした太平洋の島国で「親日」は続いていくはずです。日本政府と日本企業は、太平洋の島国でもっと存在感を示し、友好関係を加速させていくことが大切だと今回の未来世紀ジパングを見て感じました。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です