障がい者が高齢者を支えるビジネスの可能性や、助成金ビジネスの実態を学べました⇒ガイアの夜明け「もう一つの働き方改革」
東京・渋谷区にあるホープ就労支援センターは重度障がい者の就労支援を行う事業所で、現在20人以上の障がい者が就労しており、1日600個以上の美味しいパンやスイーツを製造販売しています。
2018年5月22日(火)放送のガイアの夜明け「もう一つの働き方改革」はホープ就労支援センターのようなハンデキャップを負った人々の働く場所の現状や、“寝たきり社長”の仙拓・佐藤仙務社長の高齢者向け新ビジネスを取り上げた回でした。助成金ビジネスが抱える闇と同時に、障がい者自らが切り開くビジネスの可能性という光も見えた放送回でした。
今回のガイアの夜明けで初めて知ったのですが、2017年11月広島県の就労支援施設「しあわせの庭」など、2017年から障がい者支援事業所の自己破産が立て続けに起きているそうです。その理由として障がい者を使った「助成金ビジネス」の闇があると番組で取り上げられていました。
一般企業での就労が難しい重度の障がい者(利用者)が働く場を「就労継続支援 A型事業所」と呼び、事業者(雇用主)は障がい者と雇用契約を結んで最低賃金以上を支払っています。
このA型事業所には国から助成金が出るため、助成金目当ての乱立状態が指摘されていたとのこと。そのため厚生労働省は助成金をそのまま利用者の給料にしてはいけない方針を強化。障がい者を大量に雇用して助成金目当てに事業所を運営することはできなくなりました。
その結果、障がい者を使って助成金ビジネスをまわしていた事業者は次々と経営破たんしています。広島県の「しあわせの庭」も経営責任者の山下昌明氏が従業員の給料を未払いのまま雲隠れしているそうです。
岡山県倉敷市でも障がい者の就労継続支援A型事業所を運営していたフィル(代表:岡本健治)が2018年3月に経営破たんし、障がい者が大量に解雇されてしまいました。フィルとしあわせの庭の経営者に関わりがあったことも助成金ビジネスの闇の深さを感じます。
“寝たきり社長”の株式会社仙拓の佐藤仙務社長
寝たきりで動かせるのは左手の親指だけという、10万人に1人の難病を抱える重度障がい者の佐藤仙務さんは、同じように重度の障がいを抱える親友と共に「株式会社仙拓」を起業します。
当初は名刺やホームページの制作からはじめ、現在はテレビ電話を使って資格を持った障がい者が高齢者にカウンセリングを行い健康寿命を延ばす、新たなシステムの開発に挑戦中だと言います。
仙拓社の新サービスは高齢者の介護予防や認知症予防になり、障がい者の終了支援にもなる新しいビジネスですので、これこそ助成金の対象になるべき障がい者ビジネスだと思います。
健常者も障がい者も働きやすい環境を作る事は、国が進める“働き方改革”にもつながるはず。当ブログ管理人も寝たきり社長の佐藤仙務氏をはじめ、障がいを持った経営者が進める新しいビジネスに注目して行きます。