織田病院のMBC、いしが在宅ケアクリニックの看取りが高齢者を救う。ガイアの夜明け「人生、最期まで我が家で… ~家族で向き合う在宅医療~」
自宅以外の病院や施設で人生の最後を迎える日本人が大半の中、内閣府が実施した「どこで最期を迎えたいか」という調査では「自宅」という回答が55%と最も多くなっています。
2017年5月9日(火)放送のガイアの夜明け「人生、最期まで我が家で… ~家族で向き合う在宅医療~」は、自宅で最期を迎えるための支えとなる在宅医療について取り上げた回でした。
佐賀県鹿島市にある祐愛会織田病院は、年間新規入院患者数が3000人以上、病床稼働率99%とフル回転している地域の中核病院です。織田病院では「メディカル・ベースキャンプ」(MBC)という、医者・看護師・ケアマネージャー・薬剤師・管理栄養士・ソーシャルワーカーなど多職種が連携して在宅患者をケアする仕組みを提供しています。
織田病院のメディカル・ベースキャンプの切り札が、病院とつながる「タブレット端末」とナースコールとしても機能する「スマートウォッチ」、そして「ウェブカメラ」といったIT機器です。
画面の小さいタブレットではなくテレビの大画面を使ったウェブ往診や、スマートウォッチの機能を活用した計測システムが拡充して行けば、病院に訪れたり入院する必要もいずれ無くなるのかもしれません。
三重県四日市にある在宅医療に特化した「いしが在宅ケアクリニック」では、24時間365日対応の在宅診療に特化しているのが特徴です。開業からわずか8年ながら、在宅での看取り数が年間約300件と全国でもトップレベルという実績を誇っているクリニックでもあります。
いしが在宅ケアクリニックが在宅での看取りに力を入れ始めたことで、三重県四日市では在宅医療に躊躇していた地域開業医も軽症患者を中心に受け入れを始めるようになったそうです。いしが在宅ケアクリニックの石賀院長という1人の信念が、社会を動かした素晴らしいケースだと思います。
ガイアの夜明けでは自宅で過ごすことを望み、夫や孫など家族に見守られながら希望通り自宅で旅立った女性の模様が最後まで放映されました。賛否両論あるかもしれませんが、今回のテーマで、死の瞬間までテレビで流したことは画期的ではないでしょうか。
アクティブ・シニアと呼ばれる人たちも、自身の最期について考える終活セミナーに訪れるケースが増えているそうです。団塊の世代が一斉に後期高齢者(75歳)以上となる2025年、はたして日本人は家族と共に自宅で最期を迎えられているのでしょうか。石賀先生のような熱い医師やクリニックが増えてくれることを願います。