京都試作センターやてづくり工場組合の後継者不足解消の取り組みに期待!後継者不足ガイアの夜明け「”町工場”を継ぐ!若き挑戦者たち」感想&評価

京都が誇る伝統文化の「擦り友禅」や「西陣織」、大阪市西区九条の「鉄の町」をはじめ、日本には世界に誇る技術や職人の技があります。しかし後継者不足が深刻なため、多くの技術や職人技が消失の危機にあります。2015年11月24日(火)放送のガイアの夜明け「”町工場”を継ぐ!若き挑戦者たち」では、日本の技術や職人技を継ぐ若者の挑戦を追った回でした。

京都はオムロンや京セラ、島津製作所など、歴史ある大手製造業の本社が集まる物作りの街です。しかし今、この京都では後継者不足によって多くの伝統産業が廃業の危機に瀕しているそうです。

そこで地元京都を中心に有力企業27社が共同出資し、「京都試作センター」という若手職人の育成制度を手掛ける会社が立ち上がりました。半年以上、生活費の補助を受けながら、希望する工房や会社で研修が受けられる制度を提供しています。

伝統産業の世界はコネがないと弟子入りできない世界だけに、若者の申込者が増えているそうです。番組では京都試作センターの中心人物でもある坂口俊一さんの活動が紹介されていましたが、職人と若者とのマッチングだけでなく、後継者の販路拡大など研修後のサポートにも注力されています。

ガイアの夜明けでは鉄の加工工場が密集し、「鉄の町」とも呼ばれる大阪市西区九条の取り組みが紹介されていました。鉄の町は切断・曲げ・穴あけなど、いくつかの加工に特化した町工場がお互いに協力しあうことで共存してきました。

そのため、ひとつの町工場の廃業は、周りの工場にとっても強みがひとつ消えることにもつながります。鉄の町・九条では、この40年で町工場の数が4分の1にまで激減しているそうです。ここでも後継者不足が深刻化しています。

そこで鋼材の卸売り工場・溝西鐵鋼の3代目、櫻井宏充さんは後継者不足の危機から九条の技術を守るため、地域5社の若手後継者と組んで「てづくり工場組合」を2015年に立ち上げます。

てづくり工場組合のメンバーは町工場ならではの職人技を動画やメモで保存し、後世に残す取り組みを行っています。さらに櫻井さんらは、発注元となる中堅メーカー担当者を対象に「鉄の町工場見学ツアー」も開催。ツアー参加者からの見積もり獲得につなげられていました。

後継者不足による廃業で失われた日本の優れた技術は、そう簡単に復活させることができません。京都試作センターやてづくり工場組合のように、町や有志が後継者問題解決に動き出す。そうした取り組みが今の日本に求められているのだと今回のガイアの夜明けを視聴して改めて感じました。

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