異物混入やバイトテロへの対策が信頼&売上アップにつながる、ガイアの夜明け「〝食の信頼〟回復への道」視聴レビュー
2015年7月7日(火)放送のガイアの夜明け「〝食の信頼〟回復への道」は、農薬混入事件が発生したアクリフーズ群馬工場(現マルハニチロ)のその後の取り組みや、バイトテロを呼ばれるアルバイトによる不適切な行為への対策を取り上げた回でした。
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餃子にパスタ、自然解凍できるお弁当のおかず等など、冷凍食品の市場規模は約1兆円と巨大です。そんな冷凍食品市場の大手であったアクリフーズは、2013年11月、アクリフーズ群馬工場(現マルハニチロ)の農薬混入事件によって信頼が失墜、売上もかつての半分と低迷しています。
事件後、マルハニチロでは工場内の様子が撮影できるカメラを5台から172台に増設し、作業中はフードディフェンスチームと呼ばれる監視員が生産ラインを巡回チェック、従業員の動きをICタグで管理するなど10億円ものコストをかけ、様々な再発防止策を実施しています。
さらにマルハニチロでは異物混入事件の背景に、従業員の不満に気づけなかったことがあったとして、従業員のケアなどソフト面からの再発防止も探っているそうです。2014年8月、生産再開にこぎつけたものの、やはり一度失った信頼と売上を回復するのは難しいようです。
関東で280店舗を運営するマルエツ社の冷凍食品担当者を工場に招き、マルハニチロのリニューアルされた工場の安全性と商品の高い質をアピール。マルエツ越谷レイクタウン店でピザの試食会を実施するなど、地道な活動で信頼回復に向けた取り組みを行っている模様が番組で放映されていました。
バイトが冷蔵庫に入った不適切な写真や動画のアップ、口コミでの風評被害など、ツイッターなどのSNSの進化によって企業の風評被害も増えています。そんな中、ネット上の情報を24時間監視し、事態の拡大を未然に防ぐサービスで注目されている企業として株式会社エルテスが紹介されていました。
エルテス社では取引先の社名や商品名、異物混入などのキーワードをもとに顧客企業に対するSNS上での異変をいち早く感知し、クライアント企業へ通報・アドバイスしているそうです。ネット社会で誹謗中傷を排除するエルツ社のサービスは、現在およそ200社が契約しているとのこと。
熟成醤油ラーメン「肉そば」の丸源ラーメンを運営する外食企業の物語コーポレーション(東証1部上場、証券コード:3097)は過去、アルバイトが食材を口にくわえて冷凍庫に入った写真をSNSに投稿したことで、店舗が営業停止に追い込まれ、売り上げも減少した苦い経験を持っています。
この“バイトテロ”を契機に物語コーポレーションは全社的に再発防止に立ちあがり、全国で1万人以上が働く店舗で「事件を起こそうと思わない環境づくり」に乗り出しています。
例えば全店舗にアンケートを実施し、不満の多い店舗には社員が実際に赴き改善をアドバイスするなど、「従業員満足大作戦」と名づけたチームを立ち上げ働きやすい店づくりの取り組みをしています。
食を扱う企業は、客の命を預かる企業でもあります。異物混入やバイトテロなどを引き起こさないためには相応の対策コストもかかりますが、こうした対策に投資する企業こそが今後生き残っていくと思います。