4Kスマホ液晶や採光フィルムで巻き返せるか!?ガイアの夜明け「独占取材! “シャープ危機”…再生への闘い」視聴レビュー

錦織選手が出場した全仏オープンテニスの中継のため前週(2015年6月2日)がお休みだったガイアの夜明け、2015年6月9日(火)放送の回は「独占取材! “シャープ危機”…再生への闘い」でした。2200億円以上もの赤字を計上し経営危機を迎えている大手家電メーカーのシャープ株式会社(東証1部上場、証券コード:6753)を独占取材した回でした。

2015年5月14日、東京・芝浦にあるシャープ株式会社(東証1部上場、証券コード:6753)の東京支社でおよそ200人の報道陣がスタンバイする中、シャープの髙橋興三社長が「中期経営計画」を発表しました。

髙橋社長によるシャープ中期経営計画の模様は、世界11の国と地域にあるシャープの各事業所、工場、海外支社にほぼ同時で配信されました。固唾をのんで見守る社員たちは、再建策で「3500人のリストラ」や「給与ダウン」、「大阪本社ビルの売却」などの厳しい計画を知る事になります。

シャープは1952年に発売された国産初のテレビ、1966年に開発された国産初のターンテーブル式の電子レンジ、1973発売の世界初の液晶表示電卓、そして三重県亀山工場で作られている亀山ブランドの液晶テレビ等など、創業以来、多くの初物&人気商品を生み出してきました。

ガイアの夜明けではシャープ内部の独占取材を実施。シャープの液晶パネル製造の総本山でもある亀山第2工場に、テレビ番組として初めてとなるカメラ撮影を行いました。

亀山第2工場で作られるスマートフォン用の中小型液晶パネルは、大口の取引先である中国のスマホメーカー「シャオミ」に販売されています。しかしシャオミの売上比率が非常に高く、また株式会社ジャパンディスプレイ(東証1部上場、証券コード:6740)等との競争も激化しているため、シャープ上海ではシャオミ以外の液晶パネル販売先の営業開拓に注力してきたそうです。

スマホ液晶分野で、シャープは世界で初めてとなる4K対応のスマートフォン向け液晶パネルの開発に成功。シャープは2015年4月9日に開幕されたディスプレー装置の大型展示会「CITE2015」に展示スペースを出展し、展示会会場の道路を挟んだ向かいのフォーシーズンズホテルで独自の展示会&商談会を開催します。

その展示会に来場していたのが、中国のオンライン動画LeTV(楽視)の担当者です。楽視は映像を見ることにこだわったスマートフォンを2015年4月に発表、液晶パネルにはシャープが採用されました。

4K液晶搭載のスマホ量産化は2015年末頃が予定されているそうです。また今後シャープでは、中国で25社まで液晶パネルの取引先を増やすことを目標に営業を強化していくとのことです。

番組後半、5℃で凍る液晶の液体を使った「冷蔵庫(保冷剤)」や、衛星放送の電波をどんな角度からでも受信できる「液晶アンテナ」など、シャープの強みでもある液晶技術を使った新製品が紹介されていました。

シャープでは液晶の光学技術を応用し、太陽光を照明の代わりに利用する「採光フィルム」の開発に成功します。不動産会社ヒューリックの虎の門オフィスビルに導入が決定するなど、オフィスの照明代を大幅に削減できる採光フィルムは今後大きな需要につながりそうです。

シャープの株価は下落を続けており、2015年6月12日現在では170円というほぼ年初来安値の株価にまで下がっています。シャープの中期経営計画では不十分だと、市場に受け取られている証拠でしょう。新商品の開発はもちろん、経営陣の大胆なかじ取りも求められているように思います。

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