愛媛を盛り上げるエイトワンの大籔崇社長が飄々と語る、カンブリア宮殿「田舎に日本の未来SP 第2弾 ~元ニートが挑む地方革命~」視聴レビュー

2015年6月11日(木)放送のカンブリア宮殿「田舎に日本の未来SP 第2弾 ~元ニートが挑む地方革命~」には、愛媛をキーワードに道後温泉旅館や今治タオル専門店、愛媛みかん加工事業など様々な事業を手掛ける株式会社エイトワンの若き経営者、大籔崇(おおやぶ・たかし)社長が登場されました。

北陸新幹線の開通もあり、昨年より15%も客足が伸びた北陸の山中温泉。そんな山中温泉で、女性に大人気の温泉旅館が「お花見久兵衛」だと番組冒頭に紹介されていました。広々とした客室に宿自慢の露天風呂、色合いもきれいな食事等がお客さんに評価され、楽天トラベルの優秀賞を2年連続で受賞した実績があります。

愛媛県松山市にある日本最古の温泉といわれる「道後温泉」には、楽天トラベルアワードを4年連続で受賞した温泉旅館「道後やや」があります。大浴場が無く、部屋にはシャワーだけ。しかし道後温泉本館まで歩いて3分という近さと、今治タオルやオシャレな浴衣の貸し出しもあり、外湯を楽しむことを目的に女性客が多く訪れています。

また朝どれ野菜30種や愛媛みかん10種類以上など、愛媛産にこだわった豪華な朝食バイキングも評判となり、道後温泉で有数の人気宿となっています。この道後ややを運営するのが、35歳の経営者、株式会社エイトワンの大籔崇氏です。大籔社長は「愛媛」をキーワードに様々なビジネスを手がけています。

その1つが、今治タオル専門店の「伊織」です。高級品として有名な今治タオルを、ポップな愛媛みかん柄のタオルや、今治タオルで使ったベビー用品、風呂上りに子供に着せるキッズバスローブなど、地元のいいものに一工夫を加えて販売しています。

伊織との取引を5年前から始めた愛媛県今治市の七福タオルは、扱う商品が増えたことでこの5年間で売上が5割増、従業員も8割増と大きく成長しています。雇用や地域経済など、産地にもメリットを提供することが大籔社長のポリシーだそうです。

愛媛県の代表的な陶磁器である昔ながらの唐草模様が特徴の「砥部焼」も、ポップな柄で新たなビジネスで盛り上げようと大籔社長は取り組んでいるとカンブリア宮殿で紹介されていました。

大籔社長は広島県生まれ、愛媛生活は大学からスタートし、在学中はパチンコに毎日通いつめ勝ち負けの傾向を分析。在学中に1,000万円もパチンコで儲けた実績があります。

卒業後は株取引にのめり込んだ実質ニート生活を送り、35万円の元手を15億円まで増やすことに成功。不動産投資で暮らせるだけの家賃収入を得られるようにしたものの、28歳の時に道後温泉本館大改修によって温泉客の大幅ダウン予想を知り、愛媛のために温泉旅館の経営に乗り出します。

実力あるシェフを東京からスカウトして運営を任せたものの、従業員(料理人)のほとんどが言われるだけの調理に嫌気を指して辞めていったそうです。そこで大籔社長は料理も部屋も愛媛尽くしにし、地元スタッフのやる気を引き出すことで客足を回復させることに成功します。

大籔社長は味は良いものの市場に出ない愛媛の傷物ミカンを手作業で加工し、高級品としてエイトワン社が運営する「10 FACTORY」店舗やネットで販売する事業も営んでいます。

これまで愛媛を盛り上げるために奔走してきた大籔社長ですが、今は県境を越えて愛媛の隣、国内の手袋生産の9割を占める香川県の東かがわ市でも事業展開を始めています。海外進出によって消えゆく地場産業を救うため、新しい手袋ブランドの新設に向けて取り組む模様が番組で紹介されていました。

2006年に創業した株式会社エイトワンは、旅館、ホテル、今治タオル専門店、ミカン加工品専門店、宇和島鯛めし専門店、砥部焼の新ブランド、農業生産など10以上の事業を展開し、現在の売り上げは11億円、従業員数も90名の規模を誇ります。

地域の資源を再発見し、新たな魅力を加えて売り出す。こうした地位密着型の活動を続けるエイトワンの大籔社長は、「たくさんの小さなビジネスが地方を元気にする」と語られていました。まさにこの視点こそ、地域活性化に求められているものだと思います。

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