自転車乗りにとって天国と言える国、未来世紀ジパング「”幸福の国の真実”シリーズ② 北欧の国デンマーク」視聴レビュー
2015年6月1日(月)放送の未来世紀ジパング「”幸福の国の真実”シリーズ② 北欧の国デンマーク」は前回のブータン王国の回に続き、世界の中で幸福といわれる国にスポットを当てて、”幸せとは何か?””日本が学ぶべきことは何か?”を探るシリーズの第2弾となる回でした。
今回取り上げられたのが、国連の幸福度調査で2013年と2014年でランキング第1位、最新の2015年度調査では第3位に落ちたものの、常に“幸福の国”として上位にランクインする北欧の国、デンマークです。教育費と医療費が基本無料で、安心して老後まで暮らせる高福祉な国家運営が国民の幸福度につながっているようです。
ただ北欧の各国はどこも高福祉が特徴です。そうした北欧の国々の中でも、デンマークは様々な独自の取り組みを行うことで国民の幸福度を上げています。その1つが、コペンハーゲンの朝の風物詩にもなっている「自転車通勤」です。
約60%の人が自転車で会社に通っています。元々は環境に良いからと始めた政策だったそうですが、当初デンマークの人たちは誰も従わなかったそうです。そこでコペンハーゲンの市役所が中心となり、自転車専用の道路、信号、そして橋まで作り、電車や車を使うよりも自転車で通勤したほうが会社まで早く着くようにしたとのこと。
電車内にも無料で自転車を持ち込めるようにし、自転車に乗ったままスロープで上り下りできるマンションも建設。エコで環境的な自転車社会にしたことで、国民が健康的になり医療費も下がったそうです。
1995年に創業し、2012年には日本の大阪に進出し話題になったデンマークの雑貨店タイガー。今や世界20か国に店舗を持つ、デンマークを代表する企業でもあります。デンマークでは女性の就業率が約70%ということもあり、タイガーの本社社員130人の中にも女性が多く勤務しています。
デンマークの一般的な労働時間は午前9時~午後4時。子育ても夫婦二人でやるのが当たり前で、父親が子供を学校に迎えに行き、スーパーで買い物して料理を作るのも至って普通のことだそうです。日本では考えられない職場環境と夫婦協力の生活ですね。
デンマークではボランティアが盛んで、多くの人が年に数回会社の就業中にボランティアをするそうです。番組でも車いすに乗ったお年寄りを自転車で散歩させている女性の姿が紹介されていました。老人福祉施設を日本の老人ホームとは違い、美容室やトレーニングルーム、歯医者まである実に快適そうな施設です。
デンマークの税金は70%と非常に高いものの、子育てがしやすい環境のため出生率は改善しています。国民投票率が最低でも85%、高いときは90%もあるデンマーク。国民の政治に対する関心が高いことが、結果としてデンマークの幸福度につながっている気がします。
アンデルセンのデンマーク店や、日本の自転車部品メーカーにして世界シェアNo1のシマノ(東証1部上場、証券コード:7309)がデンマーク国内でも人気だというのは日本人として嬉しいですね。番組最後、日本に進出予定のランドリーカフェは機会があれば一度訪問してみたいと思います。