2020年の東京オリンピックに東日本大震災の復興で深刻な職人不足に。ガイアの夜明け「今こそ、若手職人を育てる!」視聴レビュー
2014年11月18日(火)に放送されたガイアの夜明け「今こそ、若手職人を育てる!」を視聴しました。スーパーゼネコンと言われる日本の建設会社では、2020年の東京オリンピック開催、さらに東日本大震災の復興などで、建設需要が急激に膨らんでいます。
ところが建設現場で作業する職人の数が足りず、工事が遅れたり、建設を延期するケースも出てきているとのこと。職人の比率を見ると、55歳以上が3割を締め、20代は1割しかいないそうです。さらに高校新卒者の3年以内の離職率は46.8%にも達します(2010年厚生労働省調べ)。
若い職人を募集しようとしても、危険、きつい、汚いの「3K」のイメージがついているため良い人材が集まらないという問題も。今回のガイアの夜明けでは、建設現場にいかに若手を集め、ベテランの技術を継承していくか、という点について取り上げていました。
スーパーゼネコン5社のうちの1つ、大林組(東証1部上場、証券コード:1802)は2014年5月、若手職人を育てる職業訓練校「大林組八潮研修センター」を開校しました。若手職人は研修センターの寮に2か月間泊まり込み、全国から集ったほかの若手職人と交流を育みながら職人としての知識と経験を積むことができる職業訓練校です。
三井住友建設が施工している晴海三丁目の現場では、800人の職人のうち協力会社を含め12人の女性の職人や技術者が「チーム晴海女子」を結成して働いています。彼女たちは女性が働きやすい環境を作ったり、現場見学に来た女子学生の案内をするなど、後に続く若い女性たちを増やす活動を行っています。
山梨県山中湖、東大や京大、早大など、高学歴の大学や大学院を卒業した内定者が楽しそうな合宿を行っていました。内定先の企業が、静岡県沼津市にある株式会社平成建設です。
建設現場では作業ごとに専門業者に外注するのが普通ですが、平成建設ではほとんどの作業を自社の職人でまかなえるよう、社員一人ひとりに様々な資格を取らせ、「多能工」として育てています。現場では同じ会社の社員だけが働いているため、技術の継承も行いやすいというメリットもあります。
秋元久雄社長が平成元年に平成建設を創業した時から、「いずれ建設業界で職人が不足する」との危機感をもって職人を採用、育ててきたそうです。能力に応じて給料や手当がもらえ、研修や待遇なども好評なため、スーパーゼネコン5社を追う第8位の人気就職先となっています。
番組では社員旅行や社内技能テストの模様なども紹介されていました。個人的に平成建設の女性大工、川上華恵さんが最後にコメントされていた「目指すところは設計もできる大工。がむしゃらにやるしかない」という言葉に、1自営業者としても勇気づけられました。