困難に立ち向かうデンタルサポート寒竹郁夫社長が登場!カンブリア宮殿「高齢者医療に革命を・・・挑戦する歯科医療業界の異端児!」視聴レビュー

2014年11月20日(木)放送のカンブリア宮殿「高齢者医療に革命を・・・挑戦する歯科医療業界の異端児!」を視聴しました。日本で初めて歯科医師と患者の訪問診療サポートサービスを立ち上げた、デンタルサポート株式会社の寒竹郁夫(かんたけ・いくお)社長が登場された回です。

番組冒頭に紹介されていた住みたい街の上位にランクインする東京・自由が丘は、歯医者さんの激戦区でもあります。なんと、自由が丘駅から半径500m以内に60以上もの歯科医院がひしめき合っています。

全国のコンビニの数は5万4,000件ですが、歯科医師の急増もあり歯科医院の数は今や全国6万8000カ所と、コンビニより約1万4000カ所も多くあるそうです。そしてその多くは、年収300万円以下とのこと。

歯科医師の数は国内で10万人超と、日本の歯科医療界は過当競争時代に突入してます。その一方で、歯科医院に通院するのが困難な体の不自由な高齢者など、歯科医療をクリニックで受けられない人も増え続けています。

「医療が必要なのに十分な医療が受けられない」という現状に目を向け、立ち上がったのがデンタルサポート株式会社の寒竹社長です。寒竹社長は歯科医院の経営から転身し、歯科医と患者のマッチング訪問歯科サービスの仕組みを作り上げました

寒竹社長のデンタルサポート社が行っているのが、診療スケジュール、機材、移動などの管理、さらには診療支援等など、訪問歯科診療に関するバックヤードの全てを担う独自のシステム展開です。

高齢者の自宅の居間や、老人ホームのロビーなど、患者が希望する場所で行われる訪問歯科診療。移動型歯科ユニットやポータブルレントゲン等の医療機器があるため、歯科医は訪問先でもクリニックと同じような治療や診察を行うことができます。

寝たきりの方か、寝たきりに準ずる方のみ、デンタルサポート社の訪問診療サービスを受けることができるそうです(=面倒くさくて歯医者さんに行きたくない、という方は対象外)。

デンタルサポート社の訪問診療の肝となるのが、医師・歯科衛生士と共に行動する“コーディネーター”です。もてなしの心と専門知識を持ったコーディネーターがいるからこそ、デンタルサポート社の売り上げが伸びているのだと思います。

1957年に歯科医の長男として生まれた寒竹社長は、歯科医師となってある日、「車椅子生活の70歳の患者さんが歯医者に通いたくても通えない」という話を古くからの知り合いである最成病院の大上看護部長から聞き、当時はまだ浸透していなかった訪問歯科診療を試みたそうです。

この訪問治療で患者の笑顔を見た寒竹社長は、充実感と共に訪問歯科診療の可能性を感じ、現在のデンタルサポートの仕組み創りをはじめます。障害であった「医院から16㎞離れた患者を訪問診療した場合、保険が適用されず全額患者負担になる」という16kmの壁も、医師として直接診療するのではなく、医師と患者を橋渡しするサポートサービスを全国展開する取組でクリアします。

現在、デンタルサポートは北海道から九州まで全国38事業所を展開し、月間サポート人数は2万8,000人にも及びます。売り上げも45億円にのぼります(2013年3月期)。

デンタルサポートでは訪問歯科診療サポートだけでなく“歯をベースとしたサービスを提供し、一人でも多くの人に歯口腔内の健康を届ける”事業を展開しています。その最たる例が、2011年に開始した“口腔ケア”と“リハビリ”を組み合わせた施設「トータルリハセンター」です。

トータルリハセンターには歯科衛生士が常駐し、嚥下機能チェックの結果を元とした個別口腔ケアプログラム作成を行っています。番組ではパタカラ体操など、口からはじまる予防医療の模様を紹介されていました。

番組で紹介されていた香川県歯科医師会調べの「残存歯数と医療費」の調査結果を見ると、歯が20本以上残っている高齢者の総医療費は約36万円なの対し、0~4本しか歯が残っていない高齢者は約54万円と1.5倍も医療費がかかっています。また糖尿病のリスクも1.4倍、脳血管の病気も2.3倍高いとの事。丈夫な歯を残すことは、健康を維持することにもつながるようです。

デンタルサポートでは結婚を機に家庭に入った女性歯科医や、女性歯科衛生士の訪問歯科診療分野における現場復帰サポートも行っています。歯科医院を開くと家庭との両立が難しくなりますが、訪問歯科診療であれば比較的融通がきくため結婚や出産した女性歯科医も働けます。

日本の歯科医療をはじめとした医療サービスは、病院の視点から国内だけで見ると競争激化で未来は暗そうなイメージですが、訪問診療や海外に目を向けると大きな可能性が広がっています。

人材不足と円安が進む時期こそ、女性歯科医の訪問診療の拡充や、日本の先進的で信頼できる医療サービスの海外進出など、もっと国を挙げて取り組むべきだと今回のカンブリア宮殿を見て再認識しました。

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