ホンダのバイク、双日の小麦粉、そしてパナソニックのソーラーランタンが新興国を変える!ガイアの夜明けスペシャル「新興国を切り拓く!独自の手法」視聴レビュー

3か月遅れながら、2013年12月17日(火)に放送されたガイアの夜明けスペシャル「新興国を切り拓く!独自の手法」視聴しました。通常よりも30分長い年末スペシャル回です。

番組の冒頭、今後の経済成長が期待できる国々として中国やインドをはじめとした東南アジア、そしてアフリカが紹介されていました。ただし、東南アジアやアフリカにおける日本企業の進出数は、中国や欧州に比べて非常に低い状況になっているとのこと。

今回のガイアの夜明けスペシャルでは、東南アジアやアフリカなどの新興国を開拓し始めた日本企業の取り組みが紹介されていました。最初に紹介されていたのが、アフリカ・ケニアに町工場を建設したホンダ(東証1部上場、証券コード7267)です。

世界の二輪車市場でトップを走るホンダですが、アフリカでは中国勢とインド勢に大きく差をつけられています。例えばケニアのバイク市場では、中国・インド製のバイクが市場の9割以上を占めており、ホンダのシェアは0%です。

そこでホンダは、完成までに2~3年かかる本格的な生産工場をアフリカに作るのではなく、「KDP」(かんたん・どこでも・パック)という戦略を取り入れてケニアに進出しました。KDPは少ない費用で短期間に“町工場”を作る戦略です。東南アジアなどで作っている本格的なバイク製造工場に比べ、KDPの町工場なら550分の1以下という低コストで作れるのが強みです。

日本のバイク職人の感や技術を、現地スタッフのケニア人女性2人に叩き込む取り組みも番組で紹介されていました。当ブログ管理人KENが意外に感じたのは、現場スタッフのリーダー2人がどちらも女性だという点。女性の活用は日本では一般的になってきていますが、アフリカ・ケニアの地でも女性活用を進めているのはさすがホンダだと思います。

ホンダではケニアの他にバングラデシュでもKDP町工場を設立し、アフリカや中南米市場への本格的な進出を加速させているとのこと。中国やインド製のバイクに比べると多少割高ですが、燃費やサービス、そして乗り心地の面で差別化に成功しているようです。

日本の大手商社の双日株式会社(東証1部上場、証券コード2768)は“Pasco”ブランドで有名な製パンメーカーの敷島製パン株式会社と組み、米が主食のインドネシアでパンの開発・拡販に挑戦しています。ちなみに余談ですが、Pascoの超熟ブランドは自分も大好きな食パンですw

1995年に双日・敷島製パンが出資し、インドネシアの現地企業と共にパンメーカー「ニッポン・インドサリ社」を設立。インドネシア初のパン工場を立ち上げ、“サリロティ”というインドネシア語で「おいしいパン」を意味するパンブランドを作り、自転車を使った移動式パン販売で直実にパン文化を根付かせてきました。今ではサリロティのシェアは、インドネシア国内でなんと9割もあるそうです。

パンを食べる習慣が広まったことで、双日のインドネシアにおける小麦輸入ビジネスも成長しているとのこと。サリロティの次の定番商品として、双日では甘い菓子パンではなく、カレーパンなどの総菜パンの提案も行っていました。パン市場を作り出し拡大することで、小麦をはじめとした原材料の需要も増える。商社としてやりがいのある仕事だと番組を見て感じました。

東南アジアのミャンマーをはじめ、カンボジアやスリランカなどを「新・新興国」と位置づけ、電気の通っていない村にも販促活動を行っている日本企業、それがパナソニック株式会社です(東証1部上場、証券コード6752)。

急成長中のミャンマーではパナソニック製の洗濯器など、白物家電が良く売れているそうです。ただサムスンやフィリップなども将来の市場拡大を目指して家電商品を投入してきているため、競争も激化しているとのこと。

そこでパナソニックのミャンマー支店長前田さんは、電気のない村で市場調査を行い、「小型ソーラーパネル付きのランタン(携帯電話の充電機能搭載)」を売り込む戦略を採用します。太陽のもとで6時間充電すれば、最長90時間も使用可能なソーラーランタンです。

またパナソニックではミャンマーの学校などにソーラーランタンを寄贈する取り組みも進めていました。電気のない村でも「パナソニック」のブランド名を覚えてもらいファンになってもらうことで、いずれ電気が通ったときにパナソニックの家電製品を買ってもらう。そうした未来を見据えた戦略です。

日本企業は国内市場だけで十分に売り上げを得られるため、中国や欧州、米国に比べて新興国への進出が遅い印象がありました。ただ日本ならではの品質やサービス、そしてモノづくりの精神は十分に新興国で通用すると管理人KENは考えており、今回のガイアの夜明けでもその考えが裏付けされたと感じました。

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