JA(農業協同組合)について詳しく知れた、ガイアの夜明け「どうすればいいのか?ニッポンの農業」視聴レビュー

2013年12月10日(火)に放送されたガイアの夜明け「どうすればいいのか?ニッポンの農業」を視聴しました。JA(農協)の実態や独自の取り組みを行う企業・農家について取り上げられた勉強になる回でした。

関税を無くすTPP交渉が進んでいますが、そのTPPに反対しているのがJA全中です。そのため日本政府も「コメ、牛肉・豚肉、麦、乳製品、そして砂糖」の重要5項目はTPPの対象外にすべきと国会で決議しています。たた一方で、吉野家のような外食産業は安くコメが仕入れられれると、TPPには賛成の立場の所も少なくありません。

日本全国にある地域のJA農協の中央組織敵な役割を担っているのが、全中です。全農が農産物の流通、農林中金が農家への資金の貸し出しなどを担う共催の役割を担う一方、全中は政治的な活動を行っています。

農家を守る組織であるはずのJAが、農家よりも農協が儲かる仕組みになってしまっていることが問題だと、番組で専門家が話していました。そんな巨大な中央組織に反旗を翻したのが、全国に700以上ある地域農協の1つ、越前たけふ農協です。

越前たけふ農協では、農薬を減らすなど手間暇かけた特別栽培米を他のコメと区別して高く買い取ったり、全農を通さずにコメ卸業者との直接取引やネット取引を行ったり、肥料の価格を下げたりと、様々な改革を行っています。ただし、越前たけふ農協に続く地域農協はまだ出ていないそうです。

日本全国で耕作放棄地を借り受け大規模農園を展開しているのが、イオングループの「イオンアグリ創造」です。またイオンでは、全国100以上の契約農家からイオンアグリ創造を通じて農作物を仕入れる取り組みも行っています。農協を通さずに、「できるだけ安く」という消費者や外食チェーンのニーズに応える取り組みだと言えます。

ガイアの夜明けによると、日本の農業産出額のトップ3は米の1兆8,500億円、生乳の6,600億円、豚肉の5,400円だそうです。しかし、海外輸出額はコメ7億円、生乳4億円、豚肉3億円と1%にも満たない額。海外輸出がこれほど低いとは知りませんでした。

全国の農家が減り、深刻な高齢化にも直面するなど、農業の危機感を感じているJAグループでもハイコープ豚の開発や、香港のアンテナショップ「純」出店など、国内の農作物を世界に広める取り組みを強化していました。

番組の最後に紹介されていたのが、宮崎市で「尾崎牛」を育てる牛農家と、徳島の専業農家が育てる「みつひかり」という米でした。尾崎牛やみつひかりのような美味しいブランド農作物を作れれば、TPPは逆にチャンスになるという農家もいます。

日本の農家の現状や、JAについて知見を深めることができた今回のガイアの夜明け。JAの必要性については勉強不足のため発言は控えますが、少なくともTPPが日本の農業やJAを変える起爆剤になることは間違いありません。がんばる日本の農家と、おいしい農作物が育つ市場になってくれる事を祈ります。

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