リバーセイコーの極小はさみとメトランの人工呼吸器に感銘を受ける、ガイアの夜明け「世界を救う…町工場の医療技術」視聴レビュー
2013年11月26日(火)に放送されたガイアの夜明け「世界を救う…町工場の医療技術」を遅ればせながら視聴しました。日本の町工場が生み出した医療器具によって、日本はもちろん世界中で多くの人々の命が救われている事を知れた貴重な回です。
番組冒頭で紹介されていたがん患者が生んだ手術用の極小はさみは、2年前に同番組で取り上げられた長野県岡谷市の町工場、有限会社リバーセイコーが生んだ画期的な医療器具です。
リバーセイコー会長でありがん患者でもある西村さんは、日本海総合病院の本間清明医師の依頼で新しくブラジル人向けに細かい滑り止めのギザギザが付いた極小はさみを開発しました。ブラジル人は食生活の違いから内臓脂肪が日本人より多いため、従来の極小はさみだと滑るリスクがあるためです。
ガイアの夜明けでは実際の手術シーンも放送されていましたが、ギザギザの新型極小はさみがブラジルの病院で大活躍していました。大きな直腸がんの腫瘍を摘出されたブラジル人の女性患者、ベレニセさんもとても幸せそうに番組のインタビューに答えていたのが印象的です。
リバーセイコーの極小はさみ以外にも、朝日インテックの非常の細いカテーテルや、三鷹光器の脳外科手術に使われる顕微鏡システム、ナカシマメディカルの滑らかに動く人工関節など、世界で売り上げを伸ばす医療器具がガイアの夜明けでは紹介されていました。
番組後半で取り上げられていたのが、埼玉県川口市にある未熟児のための人工呼吸器の専業メーカー、株式会社メトランです。創業者であり、技術者でもある新田一福さんは、本名はトラン・ゴック・フックさんという40年前に留学で来日したベトナム人です。
新田さんの祖国ベトナムでは高価な未熟児用の人工呼吸器の導入例はまだ稀なため、日本でなら助かる赤ちゃんの命が失われていく現状になっていました。1000グラム以下の未熟児の実に4割がその尊い命を失っている状況だそうです。
そこでメトラン社では、ベトナムで開発・製造しコストを従来機の半分まで抑えた新型呼吸器を開発し、ベトナムの病院に第1号機を無償で提供していました。またベトナム・ホーチミン郊外に新工場を設立し、さらなる量産体制を整えていました。
患者にやさしい医療器具を生み出せる日本の町工場と職人の底力が、日本人だけでなく世界の人々を幸せにしているのは、同じ日本人として誇りに思います。今後も日本の町工場の世界進出がどんどん進んでくれることを願います。