野中正人社長から学んだパート主婦の力、カンブリア宮殿「安さの裏に大胆戦略!店舗数日本一“しまむら流”独自経営の裏側」視聴レビュー

2013年11月28日(木)放送のカンブリア宮殿「安さの裏に大胆戦略!店舗数日本一“しまむら流”独自経営の裏側」を遅ればせながら視聴し、株式会社しまむら(東証1部上場、証券コード8227)の野中正人社長の経営者としての考えやポリシーを知りました。

しまむらと言えば、北は北海道・稚内から南は沖縄・石垣島まで、全国に約1300店という日本一の店舗数を誇る一大ファストファッションチェーンです(ユニクロは約850点)。

しまむらの商品点数は4万点以上、平均単価はなんと791円、しかしながらしまむらグループの売り上げ4910億円は世界のファッションチェーン売上高トップ10の第9位にランクインしています(日経ビジネス調べ)。

ちなみに、同ランキングの第1位はH&M、第2位はインディテックス(ZARA)、第3位はGAPの順で、日本企業は第5位にユニクロを展開するファーストリテイリングが入っています。名だたるブランドと競い合っているんですね。

しまむら人気の秘密は、やはり圧倒的な安さです。その安さを実現する秘密は、メーカー側との独自の取引の仕組みにあるとのこと。番組では約500社の納入業者から大量に服を買い付けるシーンが放送されていましたが、しまむらは「大量買い付け」と「完全買い取り制」を実施していました。

大量に買い付け返品はしない、商品が売れ残っても追加の値下げ要求はしない、そして販売応援の要請をしないという、取引相手が喜ぶ掟があるのがしまむらの特徴です。確かにこの3つを守ってくれるのであれば、値下げも大きくしやすいと思います。

しまむらの店舗に並べられている商品は1つのアイテムにつき、各1サイズ・各1カラーのみ。そのため、全く同じ商品は1店舗に1つしか置いていないそうです。この「しまむら流 売り切れ御免」の販売手法によって、早いサイクルで商品を投入し続け、移り変わりの早い流行のトレンドに対応しているとのこと。

しまむらファッションの人気ぶりは、熱烈の名ファンである「しまらー」という流行語を生み出したほどです。しまむらの売り切り販売手法を支えているのが、バイヤーとコントローラーの存在だです。バイヤーは海外トレンドなどの最新情報を仕入れ、流行を先読みして大量の商品を発注、買い付けます。

一方、その大量の商品を売り切る役割を担うコントローラーは、各店舗の商品の売れ行きを見ながら移送(売れない店から売れる店へ商品郵送)などのテクニックを駆使し、商品の売り切りにつなげています。

さらに、しまむらでは全国に9ヵ所の自社物流センターを持ち、徹底的にコストの削減を図っているのが特徴です。他にも本部集中仕入れやコンピューター導入、オンライン単品管理(POSシステム)など、時代を先取りした改革を行ってきています。

ローコスト経営を徹底しているしまむらですが、毎月1回、全国の店長1,500人が一堂に集う店長会議を開いています。しまむらの店長の7割は女性で、そのほとんどがパート社員からの昇格組だそうです。しまむらの各店舗を支えているのは、女性パート社員という戦力。

地元の主婦たちでも働きやすい職場にするため、作られているのがしまむら独自の徹底かつ単純なマニュアル。段ボールのつぶし方にバッグの陳列法、レジや金庫の扱いなど、必要なありとあらゆることがマニュアル書かれています。

さらに、このマニュアルに対してパート社員たちなどが改善提案をどんどん行っています。改善提案は提案で500円、採用されると1,000円の報奨金がもらえるそうです。また、パート含めた社員旅行などの福利厚生もあるとのこと。

村上龍氏も編集後記でつづられていましたが、しまむらと競合他社との決定的な違いは、店長の多くがパート出身という点です。安さにばかり注目されがちですが、何よりもパート主婦を大切にする、そんな取り組みがしまむら人気につながっているのだと思います。

株式会社しまむらは東証1部上場企業でもあります(証券コード:8227)。ファッションセンターしまむら、アベイル、バースデイ、シャンブル、ディバロの各店舗で利用可なお買物券がもらえる株主優待や、配当も実施しています。ただし、株価が高い!株の分割でもあれば投資候補の筆頭にしたい会社です。

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