草津温泉や湯沢温泉(いせん)の革命!カンブリア宮殿「逆襲温泉スペシャル ~日本の宝を磨いて、町を変えろ!~」

2019年3月28日(木)放送のカンブリア宮殿「逆襲温泉スペシャル ~日本の宝を磨いて、町を変えろ!~」は温泉町の再生をテーマにしいた90分のスペシャル回でした。登場されたのは草津町の黒岩信忠(くろいわ・のぶただ)町長と、湯沢温泉にあるいせんの井口智裕(いぐち・ともひろ)社長です。

歴史ある群馬の草津温泉ですが、1980年代に大規模ホテルを次々に建設したもののバブル崩壊で人気も下落。廃業した宿と空き地の町となってしまい、年間300万人が訪れていた観光客は2010年に260万人に激減してしまいます。

そこで草津町はそれまで旅館組合から選ばれてきた町長に、観光とは全く無関係な現町長の黒岩信忠氏を迎えます。黒岩氏は町長に当選すると、荒れ果てた草津の中心地「湯畑」を一変させる改革に乗り出し、古き良き木造の公共温泉や散策できる広場などを湯畑を中心に次々に建設していきました。

さらに、カップルや夫婦を呼び込むために町営の温泉施設を混浴にしたり、夜の湯畑のライトアップ施策を実施したり、地元のJリーグチーム・ザスパクサツ群馬のイケメン選手を湯もみイベントに登場されるなど、大胆な改革により観光客のV字回復に成功。

ビジネスマンとしての過去の経験から、湯畑周辺への集中投資によるシャンパンタワー効果を狙った黒岩町長の改革のおかげで、2017年、草津町は過去最高の320万人もの観光客が押し寄せる人気温泉町に生まれ変わっています。

湯畑とその周辺が綺麗になり観光客が増え始めたことで、地元住民自らが店舗リニューアルや、魅力的な町づくりに団結して取り組むようになったのも、草津温泉V字回復の要因だと思います。

“美肌温泉”ビジネスで観光客20万人を獲得するまでに成長している島根県の玉造温泉や、バリアフリーを徹底することでシニア層の獲得に成功した佐賀県の嬉野温泉など、他にない戦略で様々な温泉地が復活してきていると今回のカンブリア宮殿スペシャル回で紹介されていました。

湯沢温泉を変えたいせんの旅館革命

かつてスキー客で年間800万人が訪れていた新潟県湯沢町ですが、スキーブームの終焉と共に観光客は3分の1にまで激減していました。そんな湯沢でユニークな戦略で客を呼んでいるのが、湯沢スイーツも人気の温泉旅館「HATAGO井仙」(はたごいせん)です。

スキー客向けのホテルだった「いせん」を、2億円もの大金を投じて時代に合わせたホテルと旅館の良いとこ取りの次世代温泉旅館に変えたのが、株式会社いせんの井口智裕社長です。

いせん井口社長は館内のレストランで出すコース料理から地元の老舗メーカーと組んだオリジナル商品の開発まで、徹底的に“湯沢”という土地にこだわる仕組み作りや、近隣自治体とタッグを組み雪国をブランド化する「雪国観光圏プロジェクト」の立ち上げ等、温泉宿を起点に地域に変化を呼び込む施策にも取り組んでいます。

宿泊客にとって旅館は非日常を体験できる場所ではなく、地域の価値や文化に触れられる“異日常”の場所であるべきと語られたいせん井口社長。その着眼点には目からうろこでした。

膨大な数の源泉や温泉旅館を持つ日本にとって、「温泉」は他国に無い宝であることは間違いありません。今回紹介された伝統の温泉町である草津と湯沢はもちろん、日本各地の温泉の反転攻勢がこれからどんどん始まる予感がします。

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