グラフ社の北川一成社長が登場、カンブリア宮殿「脱・下請けで大躍進!世界が駆け込む印刷所!」視聴レビュー

2013年10月3日(木)のカンブリア宮殿「脱・下請けで大躍進!世界が駆け込む印刷所!」を遅ればせながら視聴しました。兵庫県にある印刷会社「グラフ株式会社」の北川一成(きたがわ・いっせい)社長が登場した回になります。不勉強ながら当ブログ管理人の自営業者KENは番組で初めてグラフ社の事を知りました。

グラフは東京の老舗和菓子店から、誰もが知るフランスの高級ブランドまで世界に名を轟かせる高給ブランドが、こぞって印刷を依頼する印刷会社だそうです。なぜ兵庫の印刷工場に、世界の名だたるブランドが発注するのか。その理由はどんなに難しい印刷でもグラフ社ならやってくれるという技術力に裏打ちされた信頼です。

地方の印刷会社と言えばその多くは大手印刷会社の“下請け”企業というのが現実ですが、グラフ社では下請けの仕事をほとんどしていないそうです。少し前まではグラフも99%を下請け仕事に頼る地方の倒産寸前の印刷会社だったそうですが、北川社長はたった一人で世界を舞台に活躍するオンリーワンの印刷所に生まれ変わらせたとのこと。

北川社長が25年以上にもわたり蓄積してきた色の調合データや印刷技術、さらに北川社長自身のデザイナーとしての実力がグラフを他の印刷会社との差別化につながっています。カンブリア宮殿ではバウムクーヘンで有名なユーハイム社も、グラフ社の北川社長にデザインを依頼し、温故知新の新たなデザイン店舗を立ち上げで人気になっていました。

グラフ社の社長に就任した北川氏が真っ先に取り組んだことが、“脱・下請け”でした。印刷業界は6兆円もの巨大市場ですが、その25%を凸版印刷と大日本印刷という巨大企業2社が占め、残りの市場を約2万社で競い合っています。

当時のグラフは仕事の多くが下請けで、社内の印刷機はその下請けの仕事でフル稼働してそうです。つまり、ポストカードなどデザインから印刷までを請負う“利益率の高い仕事”を受けられない状況です。

この悪しきサイクルを打破しようと北川社長はバカ社長のフリをして、取引先が仕事の発注を減らすよう仕向けたそうです。うつけものと言われていた織田信長と重なる部分もあり、面白い話だと感じました。

北川社長のお話で感銘を受けたのが、「捨てられない印刷物」を作るという野望です。北川社長が子供の頃に毎年大晦日の夜中まで手伝っていた“正月用の折り込みチラシ”の印刷作業。家族で苦労して作ったチラシも、年が明けると当然のようにゴミとして捨てられていたそうです。そこで子供のころから、“捨てられない印刷物”を目指すという思いを募らせてきたとのこと。

他の印刷会社が実現不可能として投げ出した印刷を、グラフ社は引き受けニーズに応え続けてきたことで、いつしか「特殊印刷の駆け込み寺」と呼ばれるまでに至ったのです。機械の技術が目覚ましく進化するなか、最後には「人の力」が他社との差別化につながる。その真理を体現しているのが、北川社長率いるグラフ社なのだと思います。

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