日本の中小企業の環境技術は世界で戦える!未来世紀ジパング「世界に貢献・日本のごみリサイクル」視聴レビュー
録画しておいた2014年5月12日(月)放送の未来世紀ジパング「世界に貢献・日本のごみリサイクル」を遅ればせながら視聴しました。経済成長が続く世界各国でごみ問題が増加する中、日本の観光技術やリサイクル技術が大きな注目を集めるようになっています。
美しいオーロラを目当てに数多くの観光客が訪れる北極圏の街、カナダ・ユーコンのホワイトホース。ゴミ問題を抱えていたものの、小さな町のため大きなゴミ処理施設をつくることができないでいました。
そんなカナダ・ユーコンで暮らすアンディ・リラさんという1人の住人が、YouTUbeでゴミを減らす画期的な日本の技術を発見し、町のリサイクル処理に大きく役立てています。その技術とは、プラスチックのごみから燃料となる油を生み出すという驚きのものです。
プラスチックを燃料に変える油化装置を発明したのが、従業員わずか9人の神奈川県平塚市にあるブレスト社。日本ではプラスチックの5割を焼却してしまいますが、ゴミ問題を抱える海外では救世主になる技術です。
その証拠にブレスト社が油化装置の紹介動画をYouTubeでアップしたところ、世界中からアクセスが殺到し、画再生数回数は360万回を突破。ゴミ問題を抱える国々から注文や見学が相次いでいるそうです。
ハネムーンなどでも大人気のタヒチでも深刻なゴミ問題を抱えており、ブレスト社の油化装置導入を元大統領が勧めていました。ゴミの埋め立て地のあるタヒチ島では、50年前から埋め立てられてきたゴミ処理場が早ければあと10年でいっぱいになるそうです。ブレスト社では油化装置だけでなく、住民にゴミの分別というリサイクル精神も育むことで、タヒチのゴミ問題を解決しようとしています。
未来世紀ジパングのスタジオで紹介されていましたが、プラスチックを油に、そして生ごみや紙ごみをバイオエタノールに変えることで、都市鉱山(携帯電話等のレアメタル)ならぬ、ゴミが「都市油田」という貴重な資源になります。
経済成長著しいインドネシアでも深刻なゴミ問題を抱えており、雨の日はごみが流れ出てたまり、水が堰き止められ洪水になることもあるそうです。そんなインドネシアで人気になっているのが、日本の北九州市から派遣された高倉氏が開発した「タカクラ」と呼ばれる、生ごみをたい肥化してくれる魔法のかごです。タカクラは8万件の民家に採用され、3割の生ごみのリサイクルにつながっているそうです。
番組最後に紹介された日本企業の西原商事はゴミ処理施設をインドネシアで作り、元ウェストピッカー(ゴミを拾って生計を立てる人たち)を従業員として採用することで、ゴミ問題とインドネシア人の就労という2つの問題を解決しています。
沸騰ナビゲーターの山口義行さん(立教大学経済学部教授)の未来予測は、「ゴミが成長戦略に」。世界中でゴミ問題が増えている中、優れたリサイクル技術を持つ中小企業の海外進出を地方自治体が支援することで、大きなビジネスになります。
例えば北九州市では海外の自治体と積極的に連携し、中小企業のリサイクル技術はもちろん、中国の省エネ事業やベトナムの浄水処理事業などでも成果を上げているそうです。こうした中小企業の世界進出がもっと進めば、日本のビジネスも大きく成長するのは間違いありません。