国家戦略でブランドを作り上げる重要性、未来世紀ジパング「一度は行きたい!絶景のスイス…競争力世界一を支える戦略」視聴レビュー

2013年9月23日(月)に放送された未来世紀ジパング「一度は行きたい!絶景のスイス…競争力世界一を支える戦略」を視聴しました。国家戦略で観光やモノづくりのブランドを作り上げる重要性について再認識すると同時に、スイスと共通点の多い日本の可能性についても期待を持たせてくれる回でした。

自営業者KENも一度は行ってみたい国、それがアルプスの少女で有名なスイスです。アルプス登山鉄道に乗って、アレッチ氷河やマッターホルンに訪れてみたいです。ちなみにスイスは人口795万人、面積は九州ほどの小国ですが、人口を上回る外国人観光客が毎年訪れています。

未来世紀ジパングによるとスイスは国際競争力、観光競争力、そして技術革新力は世界第1位の三冠を達成しており。一人当たりGDPは約7万9,000ドルと世界第4位を誇っています。

スイス中部を走るユングフラウ鉄道は年間80万人を集める人気の登山鉄道です。その目的地はヨーロッパでもっとも標高の高い駅、標高3,454mにあるユングフラウヨッホ駅です。世界遺産にもなっている4,000m級のアルプスの山々と、ユーラシア最大の氷河の絶景が人気の観光地です。また吹雪に見舞われた時でも観光客が楽しめるよう、氷河の中を歩けるようになっています。

番組で紹介されていたマッターホルンのふもと、スイス南部の小さなツェルマット村には年間250万人という観光客が訪れているとのこと。そこでは環境保護のため1961年からガソリン車の進入を禁止し、すべて村の工場で製造した電気自動車のみ走行が許可されています。

電気自動車の価格はなんと一台1,300万円!すべてハンドメイドのため、どうしても値段は高くなってしまうとのこと。高級車並みでデザインもオリジナルな特別な電気自動車を使うことで、特別な観光地で有り続けようという戦略をツェルマット村は取っています。

スイスの名産品と言えば、超高級時計が挙げられます。未来世紀ジパングのスタジオでも100万円台~2,000万円台の高級時計が紹介されていました。レマン湖のほとりにあるスイス西部の街、ジュネーブには世界中のセレブが集結しています。目的はスイス製の高級時計。

スイスの時計輸出額はリーマンショックの年を除き、毎年過去最高を更新しているそうです。日本でも人気の高いフランキュ・ミュラー、パネライ、カルティエの腕時計はスイスで作られています。

スイス西部ジュラ地方は、人口3分の2が時計産業に携わっている別名『ウォッチバレー』と呼ばれる時計産業の集積地です。そのジュラ地方を代表する都市、時計製造の町として世界遺産にも登録されているのがラショードフォンです。

そんなラショードフォンを代表する時計メーカーが、ジラール・ペルゴ社。1個100万円以上する時計が序の口、3,000万円もする超高級時計が熟練の職人によって作られていて、その腕時計は2年先まで予約でいっぱいだそうです。

しかし、かつてスイスの時計産業は日本のSEIKOが販売したクォーツ時計という、安くて正確な時計が世界を席巻したことで、壊滅的な打撃を受けます。そこへジラール・ペルゴ社の社長として外部から招かれたのが、起業家ルイジ・マカルーソ社長(当時)。

スイス時計の復活を賭けた決断として、職人の手による技術を生かした高級な『機械式時計』の製造に舵を切ります。その代表的な高級時計が、職人20人が年間わずか200個しか製造しない「スリーブリッジ・トゥールビヨン」。お値段はなんと日本円で約2,094万円!

スイスでも国家戦略として時計職人を区政しています。スイス国内には時計職人育成学校が6校もあり、住民であれば授業料は無料。近年スイスでは時計職人があこがれの職業となっていて、女性も多く働いているとのこと。

ただし、超高級時計だけではなく、1983ンに発売され低価格と多様なデザインが世界でブームを巻き起こした「スウォッチ」のようなスイス時計産業復活の隠れた立役者もいます。産業の復活や成長には、“新しい付加価値”が何より重要なのだと番組を見て再認識しました。

今回の未来世紀ジパングの沸騰ナビゲーターは立教大学経済学部教授の山口義行さん。未来予測は「2020年、日本が“国際競争力”世界第1位に」でした。国土が狭く資源に乏しい、ものづくりの国であるなど日本と共通点が多いスイスですが、戦術の通り国際競争力や観光競争力、技術革新力といったランキングで世界第1位という“小さな巨人”国家です。

国際競争力第9位の日本は、スイスから学ぶことで第1位になることは夢じゃないと山口さんは話されています。そのためには、徹底したブランド戦略が必要だとのこと。日本は企業や英行などの個別的な努力で終わっていて国の統一的なイメージがありません。スイスのように徹底した国家戦略で統一感のある“日本のイメージ”、ブランドを世界に発信することが何より重要なのだと思います。

外務省が2013年2月にインドで調査した対日世論調査によると、日本のイメージは1位が「先進技術を有する」で、2位が「平和を愛する国」だったそうです。この“平和”というのがキーワードで、例えばアフガニスタンで北部同盟の武装解除に成功したのは実は日本人で、その理由として「日本人は平和を愛する」というイメージがアフガン部族からの信頼獲得につながったとのこと。

日本人にとっては当たり前の“平和を愛する国”という事実とイメージを、もっと積極的に海外に発信していくことが大切だと未来世紀ジパングを見て再確認しました。2020年の東京オリンピックに向けて、もっともっと日本の良い部分を世界に伝えていかないといけませんね。

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