パナソニックや三菱自動車、そして日立の企業城下町に未来はあるか!?ガイアの夜明け「新時代を行く!企業城下町」
大手企業と下請けの町工場が軒を連ねる日本の企業城下町も、生産拠点の海外移転やリストラなどにより町工場が衰退したことで活気も薄れていっています。2016年11月29日(火)放送のガイアの夜明け「新時代を行く!企業城下町」は日本経済を支えてきた企業城下町で生きる下請け企業や町工場、職人に光を当てた回でした。
大阪・門真市はパナソニック(東証1部上場、証券コード:6752)が本社を構える典型的な企業城下町です。パナソニックグループと取引のある優秀な技術を持つ中小企業は、創業者である松下幸之助氏の経営哲学「共存共栄」という考えから「協栄会」として組織化されていました。
しかし今から4年前の2012年、パナソニックの海外進出やリストラのあおりを受け協栄会は41年間の歴史に幕を下ろしてしまいます。パナソニックの企業城下町である大阪・門真市の商店街も、今やシャッター通りと化しているそうです。
20164月に発覚した三菱自動車(東証1部上場、証券コード:7211)の燃費不正問題によって、生産拠点の水島製作所がある岡山県倉敷市も大打撃を受けています。コストカッターの異名を持つ日産のカルロス・ゴーン氏が三菱自動車の社長に就任する事で、今後厳しい変化が予想されます。
ガイアの夜明けでは水島製作所の下請け企業である中山鉄工所に密着取材を実施していました。生産性を上げるために新型研磨機を購入するなど、売り上げを回復し新たな受注を得るために必死の取り組みを行っています。
日本の電機メーカーで最大手に成長した日立製作所(東証1部上場、証券コード:6501)も中国などに生産拠点を移しています。そこで日立の企業城下町、茨城県日立市で町工場エムテックを運営する松木社長は、高い技術力を持つ日立の下請け工場10社で「GLIT(グリット)」というチームを結成します。
そんなGLIT(グリット)に介護施設のベッドで使われる人の動きを監視し分析する「病床見守りシステム」の試作品作りの仕事が舞い込み、職人技術の粋を集めた試作機作りに成功されていました。
GLIT(グリット)の松木さんはドイツに乗り込みメーカーとの提携交渉や、ミュンヘンで開催されたものづくり技術の商談会「エレクトロニカ2016」にも参加し焼き鳥の加工品で高い技術力をPRしています。
今回のガイアの夜明け最後でエムテック松本社長も話されていましたが、大企業の下請けでは無くパートナーとしての意識を持って取り組む企業城下町の町工場こそ、今後日本はもちろん世界でも成長していくのだと思います。