コスモスベリーズ加盟の街の電器屋さんに、百貨店の催事を渡り歩くオジコTシャツなど売り方が面白い!ガイアの夜明け「“逆転の発想”で客を呼ぶ!」視聴レビュー
2014年7月8日(火)に放送されたガイアの夜明け「“逆転の発想”で客を呼ぶ!」は、コスモスベリーズ加盟の街の電器屋さんに、百貨店の催事を渡り歩くオジコTシャツなど、着眼点がとてもユニークなビジネスが紹介されていた面白い回でした。
番組で紹介されていた経産省資料によると、1982年には全国で4万7,000店以上もあった街の電器屋が、30年後の2012年にはおよし1万5,000店と3分の1以下にまで減ってしまっています。
街の電器屋減少の最大の要因は、当然のことながら大型家電量販店の台頭によるものです。ただ、生き残っている街の電器店の中には、まさに逆転の発想で、大型家電量販店のヤマダ電機から商品を仕入れて客に販売する仕組みを構築している所もあります。
この逆転の発想を可能にしたのが、名古屋市に本拠地がある家電販売チェーン「コスモス・ベリーズ」です。元パナソニックの三浦会長が立ち上げた会社で、街の電器店を束ね、ライバルのヤマダ電機と組むという常識破りのシステムを採用しています。2008年にはヤマダ電機の完全子会社になりました。
コスモスベリーズの加盟店は年々増え、現在8,000店を超えており、今後3年で加盟店を倍以上の2万店にすることを目標にしています。この数値を実現するため、コスモスベリーズでは美容院や燃料店など異業種の加盟店も開拓しています。
量販店並みの安い価格と地域密着の接客。この2つを兼ね備えた町の電器屋は、今後の少子高齢化の日本社会においても存在感を増していくと思います。商品をヤマダ電機から直接仕入れられるので、店内スペースはソファやテーブルを置いて住民のくつろぎエリアにしたり、パソコン教室を開講したりなど、自由に使えるのも強みですね。
ガイアの夜明け後半で紹介されていたのが、百貨店に引っ張りダコなTシャツブランド「OJICO(オジコ)」です。自前の店舗をほとんど持たず、全国の百貨店の催事をさすらい、さらに「地域限定」「期間限定」デザインでプレミアム感やレア感を出しているのが特徴です。他のアパレルブランドとは一線を画した、知る人ぞ知る人気ブランドです。
オジコのTシャツは日本製のため、価格は一般的なTシャツと比べると高めです。それでもTシャツを着た親子が並んで、ひとつの絵柄に見えるペアルックTシャツなど、ファミリー層を取り込むアイデアが豊富にあるため、客の平均購入単価は9000円前後になっているそうです。
オジコブランドのTシャツを製作・販売しているのが、石川県金沢市にある社員31人の企業「チャンネルアッシュ」です。自前の店舗を敢えてほとんど持たず、全国の百貨店の催事を渡り歩き「地域限定」「期間限定」デザインによってプレミアム感やレア感を醸し出す。この販売方法を考え付いたのが、越原社長です。まさに着眼点の勝利ですね。
百貨店の催事を中心に年間200カ所に社員を派遣しており、番組では2014年7月に島根県松江市の地元百貨店「一畑百貨店」で期間限定のショップを開催する模様が取り上げられていました。地元で親しまれているローカル電車「バタデン」と、因幡の白ウサギなどをモチーフにした、おじいちゃんおばあちゃんが孫に買いたくなるつながるデザインのTシャツをこの催事のために開発していました。
豊富な品ぞろえと店舗数を誇る巨大チェーン店が無くなることは考えづらいものの、今回ガイアの夜明けで紹介されていたコスモスベリーズ加盟の電器店や、オジコTシャツのような売り方は、今後の日本社会の中でも延びる可能性を秘めていると思います。