2013年はホテルや百貨店でメニュー偽装が相次ぎ発覚!ガイアの夜明け「検証!食品表示の偽装 食の信頼は取り戻せるか」視聴レビュー

2014年1月21日(火)に放送されたガイアの夜明け「検証!食品表示の偽装 食の信頼は取り戻せるか」は、有名ホテルや百貨店に入るレストランで相次ぎ発覚した食品表示の偽装問題について取り上げたタイムリーな回でした。

番組冒頭、オイシックス(マザーズ上場、証券コード:3182)のお取り寄せで「芝エビとバナメイエビの食べ比べセット」を注文した家庭の風景が放映されていました。塩ゆでにして2種類のえびを食べてみたところ、夫婦はえびの違いに気づくことができました。オイシックスのアンケートでも9割が違いに気づいたそうです。

北海道初の洋式老舗ホテルにして、国際会議の開催や天皇皇后両陛下の御宿泊など北海道を代表するホテルとも言える「札幌グランドホテル」にて、2013年11月6日、中華レストラン「黄鶴」や宴会場などで偽装表示が発覚しました。

こうした偽装は帝国ホテルやホテルオークラ、阪急阪神ホテルズ、ザ・リッツカールトン大阪などなど、日本中の多くの名門ホテルで行われていました。日本ホテル協会によると、加盟247ホテルのうち約3分の1が、何らかの虚偽表示をしていたそうです。

札幌グランドホテルの運営会社である株式会社グランビスタホテル&リゾートでは、食品偽装を防ぐために過去の悪しき慣習を見直し、食材発注用にメニューも記載されたチェックシートを導入、産地証明書も業者から発行してもらうことで、失った信頼を取り戻す取り組みを始めていました。

一連の食品表示偽装問題でとくに話題になったのが、高島屋や近鉄百貨店の偽装謝罪会見でもコメントされていた“加工牛”です。加工成型牛は牛肉に油を注入するインジェクション加工を施し、肉をやわらかくし量を増やす製法で作られています。

この加工成形牛自体は何の問題もありません。番組が取材していた佐賀・鹿島市にある加工肉業者「エヌケーフーズ」でも、安くておいしいお肉が食べられる手法として紹介されていました。問題は、こうした牛脂注入肉をステーキとして提供する場合、メニューにその事を表示しなければいけないにも関わらず、それを怠っていたところが非常に多かったという点です。

アメリカンステーキ店の「ミスター・バーグ」は3年前、牛脂注入肉を使っていたにも関わらずメニュー表示に記載していなかった事から消費者庁から措置命令を出されていました。消費者庁の指示によってメニュー表示を変更した後でも、売り上げは下がらなかったそうです。正直に取り組めば売り上げにもつながる、その典型例だと思います。

東京都健康安全研究センターには、食品の表示を監視するいわゆる食品Gメンたちが在籍しています。都内のスパーなどで、食品の原材料や原産地の表示などを義務付けている農林水産省のJAS法が守られているか抜き打ちで検査に入り、チェックするのが彼らの仕事です。

さいたま市にある農林水産消費安全技術センターでも、最新技術を使って食材のDNA分析を行っています。中でも今、集中的に検査されているのがエビです。またこの施設では食材が国産か、外国産かまで調べることができます。

食品偽装問題については企業側の意識を変えるだけでなく、消費者に正しい情報を伝え、消費者側もちゃんと調べて理解する事が必要だと思います。また当然のことながら、メニュー表示を偽装していたホテルや百貨店には、二度と同じ過ちを犯さないでもらいたいです。

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