新たなインフルエンザ薬“ゾフルーザ”を作った塩野義製薬の手代木功社長が登場、カンブリア宮殿「新薬でインフルエンザと戦う」

年末年始の冬の時期は毎年インフルエンザ流行の季節です。2019年1月24日(木)放送のカンブリア宮殿「新薬でインフルエンザと戦う」に登場されたのが、新たなインフルエンザ薬“ゾフルーザ”を作った塩野義製薬株式会社(東証1部上場、証券コード:4507)の手代木功(てしろぎ・いさお)社長です。

ゾフルーザと言えばタミフルと違いわずか1回の服用で済むインフルエンザの新薬としても有名です。最近のニュースではゾフルーザに抵抗力を持つ「耐性ウイルス」が出やすいことも話題になりました。

手代木社長は塩野義製薬を創薬会社へと変貌させ、一般的な製薬会社の自社開発率が2~3割程度のところ、塩野義製薬では7割という驚異的な数値を誇っています。この自社開発によって生み出された新薬の多さが、営業利益率で塩野義製薬を業界トップに押し上げた原動力と言えます。

1878年に創業された塩野義製薬ですが、1990年代は業績不振で「終わった会社」と揶揄されていたとのこと。そこから「手代木マジック!」と言われる経営手腕で塩野義を劇的に復活させたのが、今回のカンブリア宮殿に登場された手代木社長です。

手代木マジックの1つが、強みを活かす選択と集中でした。卸業などの医薬品以外の事業を売却し、感染症など3つのエリアに絞り込んだ新薬の開発にビジネスを切り替えます。これが新薬を次々と生み出す結果につながりました。

新薬の特許は20年が期限です。特許料収入(ロイヤルティー収入)が20年目に激減することを避けるため、手代木社長は特許切れ前にロイヤルティーを減額する代わりに販売先に仕入れの延長を約束させるなど、ユニークな取引形態を結ぶことにも成功されます。

昨シーズン、アメリカでもインフルエンザが大流行し、8万人もの死者が出ました。今シーズンも警戒感が強まる中、新薬ゾフルーザがアメリカFDAでも異例のスピードで承認されます。

手代木マジックで面白いのは、タミフルを開発販売してきた世界最大のメガファーマにしてスイスの超大手製薬大手「ロシュ」という、ゾフルーザのライバルとも言える企業とタッグを組んだことです。確かにタミフルを世界に売ってきた企業であれば、ゾフルーザの販売もより効果的に行ってくれる可能性が高まります。

売上高約3500億円(17年度)、従業員数は連結で約5000人という塩野義製薬。日本で第10位の製薬会社ですが、手代木マジックを体現できる人材が社長塾で育ってくれば、そのランキングも徐々に上がってくるであろうと今回のカンブリア宮殿を視聴し感じました。

ちなみに、番組冒頭で紹介されていた緑茶でのうがい。インフルエンザ予防に効果があるとのことなので、来シーズンは自分も自宅やオフィスで試してみようと思います。

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