沖縄美ら海水族館の巨大水槽を造った日プラ敷山哲洋社長が登場!カンブリア宮殿「世界の水族館から注文殺到!81歳・職人社長の驚きの仕事術」視聴レビュー

2015年1月15日(木)放送のカンブリア宮殿「世界の水族館から注文殺到!81歳・職人社長の驚きの仕事術」には人気水族館として有名な沖縄の「美ら海水族館」の水槽を作った会社、日プラ株式会社の敷山哲洋(しきやま・てつひろ)社長が登場された回です。一歩先を考えて取り組むことで、正真正銘のオンリーワンになれると実体験を交えて話されていました。

年間300万人が訪れる日本で一番人気の沖縄美ら海水族館。水族館最大の魅力は迫力満点の透明で巨大な水槽です。沖縄美ら海水族館の巨大水族館の高さは8.2m、幅は22.5mとテニスコート程の大きさで、完成時(2003年)にはギネスに世界最大と認定されたほどです。

巨大水槽のギネス記録は2008年に「ザ・ドバイモール」の水族館が塗り替え、2014年1月には中国・広東省の水族館が高さ8.3m×幅39.6mの水槽パネルを作り、現在のギネス記録を樹立。

凄いのは、この3つのギネス記録を更新した巨大水槽、そして大阪・海遊館や旭山動物園の白クマ舎など国内の名だたる水槽を手掛けているのが、今回のカンブリア宮殿に登場した日プラという日本の中小企業だという点です。

世界から注目を集める巨大水槽を作っている日プラ株式会社は、香川県にある従業員数わずか約90人ほどの会社です。社員100名に満たない会社ながら、1969年創業の日プラは水族館用大型アクリルパネル「アクアウォール」で世界シェア7割を誇り、納入実績は世界60か国を数える世界的企業にまで成長しています。

番組によるとアクリルは石油から作られる樹脂で、「加工しやすく、耐久性に優れ、透明度が高く、ガラスより軽く、割れにくい」という特徴があるそうです。多くの水族館で使われるアクリル水槽ですが、近年ではドバイや中国、アメリカ、韓国などで事故も相次いでいます。

しかし、大きさでギネス記録を持つ「日プラ」のアクリル巨大水槽は、これまで1度も事故を起こしたことがありません。大きさだけを競うのではなく、その品質と安全性の高さが世界から高い信頼を得ているのです。

日プラを創業した敷山哲洋社長は、もともとは化学メーカーに勤務していました。会社に在籍していた当時、高松市にある屋島水族館の館長から「水槽の柱をなくしてほしい」という要望を受けます。

敷山社長はその依頼を受けたいと考えていましたが、勤務先はその依頼を断ってしまいます。そこで敷山社長は依頼を受けるために化学メーカーを退社し、少数の仲間と共に起業し柱のない世界初の大きな回遊水槽を作ることに成功します。

しかし、その成功によってアクリル水槽がビジネスになると見た大手メーカーがアクリル水槽分野に相次ぎ参入。国内で知名度で負ける日プラは海外に進出。1994年にアメリカの名門モントレーベイ水族館の水槽を手掛けたことで、世界中にその名をとどろかせることに成功します。以降、世界60か国へアクリル水槽を納入しています。

アクリル水槽の製造だけでなく、設置までを請け負っている日プラの特徴は、社員全員がマルチプレイヤー集団(多能工)だという点です。大型トラック運転免許やクレーン操縦など専門的な資格を多く取得しているため経費削減にもつながり

またそれ以上に、マルチプレイヤー社員は世界中の現場に1人で行き、最初から最後まで仕事を担当できるというメリットがあります。これが顧客からの信頼にもつながっているようです。

番組ラスト、香川県三豊市の閉鎖された造船所から新たな水族館作りのオファーが届き、現場で敷山社長が楽しそうにアイデアを語っている姿が流れていました。“人がやることはやらない。我が道を行く”敷山社長がどんな新しい水族館を生み出すのか、個人的にも楽しみです。

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