ドイツの勤勉さと合理性から日本の経営者も学ぶべき点が多い、未来世紀ジパング「池上彰2時間スペシャル!”知られざる注目国”第一弾 ヨーロッパの”主役”ドイツvs日本」視聴レビュー

ブログ記事にするのが9か月も遅れてしまいましたが、未来世紀ジパング特別放送回の感想を記しておこうと思います。2015年7月6日(月)放送の未来世紀ジパング「池上彰2時間スペシャル!”知られざる注目国”第一弾 ヨーロッパの”主役”ドイツvs日本」は、人気ジャーナリストの池上彰氏がヨーロッパの盟主ドイツを現地取材し、スタジオで解説する2時間のスペシャル回でした。

この池上彰氏×ドイツという非常に興味深い未来世紀ジパングンのスペシャル回、torneに録画したまま視聴を忘れていたため、レビュー記事の掲載が9か月も遅れてしまいました(汗)。ドイツ・フォルクスワーゲンの不正や欧州への難民問題が起こった後の視聴のため、色々と考えさせられた番組です。

香港ディズニーランドのシンデレラ城のモデルと言われる「ノイシュヴァンシュタイン城」や、世界に名高い観光街道の「ロマンチック街道」に世界遺産「ヴィース教会」、日本人観光客に人気で世界中から200万人の観光客が訪れる中世の街「ローテンブルグ」が番組前半で紹介されていました。個人的にもドイツは一度観光で訪れてみたい国です。

日本とドイツは国の面積やGDP、第2次世界大戦の敗戦国など共通点を多く持っています。ただドイツは日本と違い、ベルリンの壁が象徴だった東西分裂という厳しい試練も経験しています。旧東ドイツの美しい古都ドレスデンは終戦間際の1945年2月、無差別爆撃を受け街の8割以上が焼失し、何万人もの人々が死亡しました。

そんなドレスデンで壮絶な復活を遂げたのが、世界最高峰の高級時計メーカー「A.ランゲ&ゾーネ」です。ドレスデン爆撃によって工場が破壊され、終戦後には社会主義国家となった東ドイツに国有化されるなどの苦難を乗り越え、世界の時計ファンの支援もあってドイツを代表する時計メーカーにまで成長しています。

番組ではドイツ・ミュンヘンの一般的な家庭が愛用している商品について訪問取材しており、韓国LGのテレビ、パナソニックのオーディオ、ニコンの一眼レフカメラ、ドイツ製のキッチン家電、そしてBMWが紹介されていました。日本とドイツのライバル関係を語る上で外せないのが、やはり自動車です。

日本と同じく物作り大国ドイツの一大自動車産業、そのなかでも世界の高級車市場でドイツ車のブランド力と販売台数は抜きんでています。世界の高級自動車販売台数トップのBMWは、2015年6月に7年ぶりとなるフルモデルチェンジしたフラッグシップモデルを発表。自動操縦車をはじめ先鋭的な新型7シリーズが世界中の記者たちにお披露目されていました。

自動車をはじめとしたドイツのブランド力に寄与しているのが、国家が認定する職人の評価制度「マイスター制度」です。ドイツにはなんと400の職種でマイスター制度があり、大工や煙突掃除、パン屋など40種類以上のお店はマイスターがいなければ開業する事もできないそうです。

日本に次ぐ世界第4位のGDPを誇るドイツは、日本の年間労働時間より300時間以上も少なくなっています。閉店法という法律があるドイツでは、閉店日や閉店時間が決まっているのが日本との大きな違いです。

番組ではドイツ生まれのスポーツメーカー「adidas(アディダス)」の社員に密着取材し、有給や長期休暇、8時間きっかり労働でも結果を出す労働生産性の高さを紹介していました。ただ高い生産性を求められるため、ドイツ人にはバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥る人たちも増えているそうです。

未来世紀ジパング終盤、池上彰氏がドイツ・エルマウサミットを訪れ、各国の記者にメルケル首相の評判を聞いていました。メルケル首相はイギリスやドイツの記者からは高評価なものの、イタリアなどユーロ危機で厳しい緊縮財政を求められた国では批判もあるようです。

2005年に就任したメルケル首相、ドイツのトップとして10年以上に渡り君臨し続け、ドイツの好景気を牽引しています。ただドイツでは現在、中東やアフリカからのイスラム系難民増加という好景気ならではの問題も抱えています。反イスラム団体のペギーダが昨年のドレスデン市長選で躍進するなど、難民問題はメルケル首相の支持率低下にもつながるリスクがあります。

今回の未来世紀ジパングで、ドイツと日本の共通点を多く確認することができました。また日本人経営者としても、ドイツ人の勤勉さや合理性からは学ぶべき点が多々ありました。観光はもちろん、ビジネス面でも一度ドイツを訪問してみたいと思います。

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