日立の海水淡水化技術や明和工業のろ過装置が世界で大活躍!未来世紀ジパング「世界を救う日本の水ビジネス」視聴レビュー

録画していた2014年9月8日(月)放送の未来世紀ジパング「世界を救う日本の水ビジネス」を視聴しましたので、視聴レビューを記しておきます。スエズ、ヴェオリア、そしてテムズという世界3大水メジャーの牙城を、日本は個人・中小企業・大企業そして自治体の力を合わせることで東南アジアから崩していけると期待が持てる番組内容でした。

人口約1,200万人のフィリピンのマニラ、その郊外では水道は通っているものの、途中、水道管や給水タンクの状態が悪いため水質が変化、塩素の味が強く健康にも害をもたらす水になっているそうです。

そんなフィリピンの水道を安全で美味しく飲めるようにするために山梨県からフィリピン入りしたのが、明和工業の輿水さんです。明和工業は社員13人の小さな会社ですが、砂を使ったサンドイッチ形式の画期的なろ過装置を開発し、不純物をろ過する水の精製に成功しています。明和工業ではそのサンドイッチ式のろ過装置で作った水や、ろ過装置そのものをフィリピンで販売す計画だそうです。

放送では世界の水ビジネス市場は現在約60兆円、そして2025年には110兆円にも成長すると発表されていました。とくに東南アジアなどの経済成長著しい新興国で、安全な水を手に入れようと大きな変化が出てくると予想されています。

バングラデシュの農村部は、フィリピンのマニラ以上に深刻な事態になっています。バングラデシュのダヤランプル村の井戸水にはヒ素が含まれているとのこと。実際に手に黒い斑点ができるなど、健康被害にもつながっています。

そんなバングラデシュで安全な水が手に入るよう尽力する日本人が、墨田区保健所の元職員、村瀬誠さんです。村瀬さんは農村部に降る綺麗な雨水を利用するという驚きの方法で村人たちに安全な水を提供しています。

驚きなのがこの雨水を貯めるタンクを、寄付やボランティアなどではなくソーシャルビジネスとしてちゃんと根付かせている点です。村瀬さんの雨水タンクはバングラデシュ農村部の平均月収とほぼ同じ約7,200円(5,300ダッカ)ですが、すでに1,200基以上が設置されているそうです。

雨水を有効活用するというのは合理的な考え方ではあるものの、実際に利用する所までは当ブログ管理人KENもイメージできていませんでした。ただ番組によると日本でも東京スカイツリーや国技館でも雨水活用は進んでおり、オーストラリアの住宅にも雨水タンクが設置されるなど、世界的にみると雨水活用はかなりメジャーになってきているようです。

インド洋に浮かぶ1,200もの島々からなる南国の楽園、モルディブ共和国。モルディブの首都マレでは、世界一と言われる人口密度によって地下水をとりすぎたため、井戸水が枯渇し海水が混じるようになったそうです。

そんなモルディブの水問題解決に取り組んでいるのが、株式会社日立立製作所(東証1部上場、証券コード:6501)です。日立は逆浸透膜を使った海水淡水化技術で海水を真水にろ過する装置をモルディブに設置。おかげでモルディブの過程では日本のように水道の水が飲めるようになっています。

さらに日立ではモルディブの国営水道会社と協力し、水深800メートルの場所から「海洋深層水」を取り出し、飲み水に利用するという巨大プロジェクトにも乗り出しています。モルディブを皮切りに世界20か国に広めていく予定とのこと。

沸騰ナビゲーターの吉村和就氏(グローバルウォータ・ジャパン)は、未来予測で『2015年 日本がアジアの水メジャーに!』を掲げられていました。2025年には約110兆円市場になると予想される世界の水ビジネス、その中で日本が狙うのはアジアの市場30兆円です。

吉村氏は韓国やシンガポールなど強力なライバルが出現する中、大企業・中小企業・個人などの民間と事業運営のノウハウを持つ自治体が協力し、官民一体となり「ジャパン・イニシアチブ」で水ビジネスを現地の雇用と産業につなげていくことが大切だと説かれていました。

世界にはすでにスエズ、ヴェオリア、そしてテムズという巨大な3大水メジャーがありますが、彼らはアジアとの距離も遠く、規模も大きいためこれから成長する東南アジアの水ビジネスにはなかなか入り込めないと管理人KENも予想しています。日本ならではの取り組みで、まずはアジアの“水メジャー”に、そしていずれトップ3に食い込むまで成長して欲しいと願います。

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