天然ガスやブラックタイガーなど日本の貴重な輸入先、未来世紀ジパング「「最後の秘境」パプアニューギニア 〜日本との知られざる関係〜」視聴レビュー

録画していた2014年8月18日(月)放送の未来世紀ジパング「「最後の秘境」パプアニューギニア 〜日本との知られざる関係〜」を遅ればせながら視聴しました。最後の秘境とも呼ばれる南太平洋の島国、パプアニューギニアが取り上げられた回です。

800もの部族が伝統文化を継承するパプアニューギニアには、戦時中「ラバウルの要塞」とも呼ばれた旧日本軍の精鋭部隊の基地がありました。海の底には零戦が沈んでいるなど、日本の戦争の記憶が残されている国でもあります。

パプアニューギニアのGDP成長率は2011年が10.6%、2012年が8.1%と驚きの成長を遂げており、その結果、首都ポートモレスビーは現在マンションの建設ラッシュに沸いています。天然ガスの輸出が始まったことで、2015年は20%以上の成長率が見込まれているそうです。

また国民の年収はこの5年間で倍増し、大型ショッピングモールや日本食レストランには多くの人々が集まっていました。パプアニューギニアの豊かさの象徴は日本の4WD車だそうです。国民一人当たりの所得で「25年後に日本を超える」とまで言われるそうです。この成長の原動力になっているのが、豊かな天然資源です。

番組ではパプアニューギニアのウエワクに住んでいるたった1人の日本人、川畑静さんが紹介されていました。人間魚雷「回天」の元乗組員で、戦後パプアニューギニアに単身で渡り、30年前に私財を投じて地元のホテル「ニューウエワクホテル」を再建した人物です。

川畑さんは自然以外に何もなかったウエワクに観光産業を根付かせ、地元民を多く採用したことで、彼らの生活を豊かにすることに成功します。その結果、町に人々から「ビッグボス」と呼ばれ慕われていました。

そんなパプアニューギニアと日本には、川畑さんのような個人の絆はもちろん、経済面での絆も育っています。パプアニューギニア産LNG(液化天然ガス)が最初に輸出されたのが、今年2014年5月の日本でした。東京電力や大阪ガスに20年間、LNGを供給するとの事です。

番組ではジャングル深くにあり、船でしか行くことのできないカウプ村も取り上げていました。人口およそ300人のカウプ村では、子供たちがあやとりで遊び、村の長老たちが日本の童謡を歌っています。その理由が、キャプテン柴田。

キャプテン柴田は旧日本軍の中尉だった、柴田幸雄さんです。食量が底をつき敗走するなか、1944年にカウプ村に訪れた柴田さんの部隊。彼らはカウプ村の人々に食料をふるまわれます。

親切にしてくれた村の人々への恩返しとして、柴田さんが始めたのが青空教室です。そしてその青空教室の中にいたのが、パプアニューギニア初代首相のマイケル・ソマレ氏です。

柴田さんから「いつか国をつくりなさい」という言葉をかけられたソマレ氏は独立運動に励み、パプアニューギニア「独立の父」と呼ばれる初代首相に就任します。独立後も柴田さんとソマレ氏の交流は続いていたとの事で、胸が温かくなりました。

日本との絆も深いパプアニューギニアが抱える大きな問題が、「焼き畑」による貴重な自然環境の破壊です。昔は国土の9割が森林だったパプアニューギニアですが、わずか20年で3割も減ってしまったそうです。

森林破壊という深刻な問題の解決に向け期待されているのが、日本式の農業。農業研修で人材を育成する日本のNGO団体「オイスカ」等が、部族の代表者を集め、稲作や野菜の栽培、養豚などを教えています。オイスカの卒業生の中には自分の村でニッポン式の農業に取り組み、自分たちで食べるだけでなく売って収益を得るまでになっているそうです。

そしてパプアニューギニアの代表的な水産資源が、天然エビです。パプアニューギニア産の天然ブラックタイガーは、日本でも養殖ものに比べて倍以上の値段で販売されているそうです。

沸騰ナビゲーターの太田泰彦氏(日本経済新聞社論説委員兼編集委員)は未来予測で「激戦地が世界の高所得国に」を掲げられていました。高いGDP成長率が見込めるパプアニューギニアには、医療や上下水道のインフラ整備、地震や津波など自然災害の対策など、日本が支援できる得意分野があります。

今回の未来世紀ジパングを視聴し、日本の国を挙げた貢献が日本とパプアニューギニアの絆を深め、経済面以外でも共存共栄が見込めるようになると感じました。パプアニューギニア、機会があれば一度訪問してみたいです。その時は「ニューウエワクホテル」に泊まってみたいですね。

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