子ども達の未来を考えて動く大人の矜持を強く感じた、ガイアの夜明け「シリーズ「復興への道」第17章 福島の未来のために…」視聴レビュー

2014年9月30日(火)に放送されたガイアの夜明け「シリーズ「復興への道」第17章 福島の未来のために…」は、番組案内人の江口洋介さんも宮城県・福島県の被災地に入り取材された回になります。

番組は江口さんが福島原発から6.5キロ離れた浪江町の海岸を歩くシーンから始まります。2014年の夏からがれきの撤去作業が開始されたものの、車や船がいまだに多数放置されたままになるなど、他の町に比べ復興が2~3年遅れている状況だと江口さんは感じられたようです。

半谷栄寿さん(61歳)は、福島県南相馬市小高の出身で、元東京電力の執行役員だった方です。東京電力で新規事業などを担当し、東日本大震災前の2010年には東京電力を退任していたものの、かつて自分が所属していた会社が生まれ故郷に大被害を与えたことに責任を感じ、残りの人生を福島復興に懸けることを誓われたそうです。

そんな半谷さんは南相馬ソーラー・アグリパークを作り、植物工場を隣接し、雇用や子ども達への教育へとつなげていました。番組では江口さんが南相馬ソーラー・アグリパークを訪れ、子供たちと共に発電について体験学習していました。

また南相馬ソーラー・アグリパークでは小中学生の体験学習以外にも、高校生へのオープンスクールを無料開講し、今後の福島の復興に向けて高校生達が自ら取り組む活動を後押ししています。

南相馬ソーラー・アグリパークのオープンスクールに参加した高校生の菅野さんは、福島の農作物の風評被害を無くすためスーパーで主婦にインタビューを実施。生産者の顔写真がついた野菜が良く売れている事実に気づき、顔写真と情報誌をつけた福島県産の野菜宅配事業をオープンスクールで発表されていました。半谷さんも福島県産の野菜定期宅配事業に将来を感じ、菅野さんの活動を後押しされるそうです。

南相馬市の南半分である福島第一原発から20キロ圏内のエリアは、2012年4月から「避難指示解除準備区域」となり、特別な許可が無くても日中は出入りができるようになっています。

町の人たちが戻った時に復興に役立つ事業を生み出したいと考えた和田智行さん(37歳)は、電源やインターネットなどを備えたシェアオフィス「小高ワーカーズベース」を運営しています。

同じく南相馬市小高区にあるNPO法人「浮船の里」のメンバーたちと、小高の地場産業であった養蚕と機織りを事業化しようと「お蚕様プロジェクト」に取り組む模様を番組では放映していました。

また「小高 天織」というブランド名で、コースターとランチョンマットなど手織りの絹織物を販売しています。番組案内人の江口さんもシェアオフィス「小高ワーカーズベース」を訪問し、和田さんに取材されていました。織物や養蚕を通じて、福島の子供たちに芯を持ってほしいと和田さんは語られていました。

2014年9月21日、神奈川県小田原市で開催された「小田原箱根まちなか博覧会」の会場に、南相馬の小高からお蚕様プロジェクトもブースを出展していました。手織りの絹製品がたいへんな人気になり、用意していた商品すべてが売り切れたそうです。

子ども達が大人になった時に戻れるふるさとを作っておきたい、将来福島のために役立ってくれる人を育てたい。こうした人々の思いを今回のガイアの夜明けでは強く感じることができました。管理人KENも定期的に寄付や被災地訪問を行っていますが、今後も微力ながら復興支援につながる活動を続けていきます。

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