ヘアカット専門店QBハウス運営のキュービーネット北野泰男社長が登場!カンブリア宮殿「“時間”にこそ価値がある!1700万人を魅了する時短ビジネスの全貌」視聴レビュー
「髪を切るだけ、シャンプーなし」で「10分1000円」という分かりやすいヘアカット専門店のQBハウス。2015年4月2日(木)放送のカンブリア宮殿「“時間”にこそ価値がある!1700万人を魅了する時短ビジネスの全貌」に登場されたのが、QBハウスを運営するキュービーネット株式会社の北野泰男(きたの・やすお)社長です。
番組冒頭、セルフの食材量り売り専門店の「バルクフーズ」や、立ち食いの量り売りステーキレストラン「いきなり!ステーキ」です。こうしたお客さんを絞り込んだビジネスで成長してきた元祖とも言えるのが、いまや年間1700万人が利用するQBハウスです。
QBハウスを運営するキュービーネット株式会社は1996年の創業から約20年、非上場ながら売上高142億円、年間利用者約1700万人、海外含めて585店舗を展開する巨大ヘアカットチェーンに成長しています。
1時間以上かかるのが当たり前だった散髪を、約10分という時間で提供するヘアカット専門店のQBハウス。最大の特徴はカット後にシャンプーをせず、専用の掃除機で毛クズを吸うというスタイルです。
スタッフがハサミなどを取りやすくするため、壁に139°という角度をつけることでカット時間の短縮につなげる。エアウォッシャーと床の髪の毛を吸い込むQB専用掃除機を開発する。こうした積み重ねが今のQBハウスの拡大につながってきたそうです。
今ではスタイリングまで行ってくれる、20分2,160円の女性を狙った美容室「FaSS」など新たな展開も進めています。しかしそんなQBハウスも順風満帆で成長してきたわけではなく、かつて離職率5割という時代も経験していました。
北野社長は前職の日本債券信用銀行に入行して3年目に経営破たんを経験します。同僚や先輩が数多く去っていく姿を見た北野社長は、社員を幸せにできない会社の姿に疑問を抱いたそうです。
そんな中、北野社長がキュービーネット創業者の小西国義氏から声をかけられ入社したのがキュービーネットでした。しかしそこで北野社長が目にしたのが、急ピッチの出店によって疲弊する現場です。働く人の半分近くが辞めていく異常な状態を改善するため、北野社長は大きな改革を断行します。
出店ペースを見直し、接客や顧客満足で評価する新しい評価基準を導入。一度は美容師をあきらめた人たちが再チャレンジできる新人向けカットスクールの設立。こうした改革で最悪期は50%もあったキュービーネットの離職率ですが、今では12%に下がっています。
現在、キュービーネット株式会社には全スタッフのカット時間をデータ分析する「データサイエンティスト」がおり、スタッフの採用・育成や新店舗の出店計画などに膨大なデータを活用しています。
そんなQBハウス、香港でも大人気だそうです。QBシェルという小規模スペースに出店できるビジネスモデルを確立したことで、アジア圏を中心に出店数の拡大が続いています。
またこれまでサラリーマンをメインに出店していたQBハウスですが、現在は高齢者の多い団地への出店や、移動ヘアサロンなど新しいサービスを次々に展開しています。QBハウスの“10分カット”という特徴が、長い時間座っていられないお年寄りにも喜ばれています。
村上龍氏も最後の編集後記で語られていましたが、人工知能がどれだけ進歩しても、ロボットに理容・美容師の仕事はできないと思います。ロボットには絶対にできない仕事だからこそ、「人材」がなにより重要なのです。私もロボットに置き換えられない仕事を目指して行きたいと思います。